日本の女子は「3番手」好き? 大人気プリンセス本に見る海外との違い

英国作品のローカライズでわかった
飯田 一史 プロフィール

さらに、日本の読者からは「王子さまとの恋のお話が読みたい」というリクエストがあったため、独自に王女と王子ふたりのカバーにし、原書にほのかにあった恋心や恋のエピソードを思いきりフィーチャーする、といった試みもしている。

「シリーズのほぼ全巻に王女さまたちの『お着替え』タイムがあります。原書に『○○姫はこんなドレス!』という紹介のくだりがあって、まるで日本の女児向けアニメの『変身シーン』のようだと感じました。そこで日本版ではドレスの特徴をキャプション付きで紹介するページも作りました」

日本版では恋愛エピソードもフィーチャーされている(『金色の草原で恋はじまる』より)
 

「リア充」「モデル系」は不人気?

イギリスでは、人種その他のダイバーシティを採り入れた表現にしないと児童書といえども批判対象となることもあって、本シリーズにはさまざまなタイプの王女が登場する。

だが日本の女児には「王女と言えば色白」といった願望があり、黒髪女子はあまり人気がない。12人の王女の中では金髪碧眼のクララベル姫、フレイア姫が人気だ。欧米ではどのプリンセスが突出して人気ということはないが、日本では圧倒的にクララベル姫が支持されている。

日本では全体に、はかなげでか弱いタイプ、憂いがあって自信のなさそうなタイプ、少し大人びたタイプ、知的タイプの人気が高い。逆に、元気で積極的なタイプ、明るく華やかなタイプ、なんでも器用にこなせるリア充タイプ、凜としたモデル系の美人、幼い感じの甘えん坊タイプは人気がない。

日本で人気のあるクララベル姫
同じくフレイア姫。いずれも金髪碧眼のキャラクターだ

「クララベル姫が尻餅をついてしまったとき、明るく華やかで、なんでも器用にこなせるタイプのユリア姫が駆け寄って声をかけるシーンがあるのですが、読者からは大不評でした。ドジをした友だちにわざわざ駆け寄ることによって周囲に『思いやりのある自分』をアピールしている嫌な女、放っておいてくれれば注目されなかったのに騒いで目立たせるなんて、と。ユリア姫の振る舞いは大人からすると打算のない思いやりに感じますが、昔とは人間関係の受け止め方が違うようです」

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