日本の女子は「3番手」好き? 大人気プリンセス本に見る海外との違い

英国作品のローカライズでわかった
飯田 一史 プロフィール

欧米出版社の児童書は、まず本の見本を作り、各国と翻訳出版の契約や製作を開始し、すべての国の部数をまとめてから一気に印刷することも多い。内容が固まってから発売までに時間をかける作り方や、ある程度の巻数をまとめて契約するやり方の影響か、デザインや内容が無難になりやすく、シリーズの最初の1、2巻目は力を入れるものの、巻を重ねるごとにトーンダウンしていくケースもあるため、北川氏は12人の王女全員の巻ができあがるのを待って慎重に判断した。

その間に、日本で出版する場合にローカライズしたい点をリストアップしておき、その条件を呑んでくれたら契約したい、と持ちかけた。Nosy Crowは国・地域に合わせたアレンジを柔軟に受け入れる姿勢だったため、独自要素を多数含む日本版刊行が実現した。

 

日本の女の子向けの「ローカライズ」

では、日本市場に合わせてどのようなローカライズが行われたのか。

まずはタイトルだ。原書は"The Rescue Princesses"、日本では『王女さまのお手紙つき』で、だいぶ印象が異なる。

「日本のプリンセス好きな女の子は海外のなかでもとくにヨーロッパに対する憧れが強いように思い、ロマンチックなプリンセスラインのドレス、お城、王女さま同士の集まりという点を、タイトルでも中身でもフィーチャーしようと決めました。『レスキュー』という言葉を使うとレスキュー隊の男性を想起しがちだと思ったので、作中の12人の王女さまの集まりの名前も"The Rescue Princesses"から『ティアラ会』にネーミングを変更しています」

また、イラストも日本版のオリジナルとし、日本人イラストレーターを起用して描き下ろした(これは翻訳ものではよくある)。原書では王女たちは10歳だが、女児は等身大ではなく年上の女の子に憧れる傾向が強いため、12歳前後をイメージしたイラストにした。

原書は販売価格を6ポンド弱に抑えるためにペーパーバックで刊行されているが、日本ではハードカバーでロイヤル風のテキスタイルを施し、本を開くとレースのハンカチを広げたような雰囲気を演出。原書にはないカラーページ、各王女の紹介ページ、手紙(後述)などを付け加えた。

『しあわせ色の結婚セレモニー』より。本を開くとレースを広げたような雰囲気に
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