日本の女子は「3番手」好き? 大人気プリンセス本に見る海外との違い

英国作品のローカライズでわかった
飯田 一史 プロフィール

本作は、大手出版社勤務を経て独立した夫婦が中心となって設立されたNosy Crowという新興出版社から刊行されている。北川氏はボローニャ・ブックフェアで、見やすさや入りやすさを重視した――保守的で時に閉鎖的に見えがちな英国の出版社らしくない――Nosy Crowのブースデザインや、そこに並んだ本がかもしだすオーラのようなものに興味を持ち、コンタクトを取った。

「読みものに関しては、イギリスはどこか『リーダーの国』のような印象があり、各国がこぞってイギリス出版社の作品を翻訳出版します。反面、他国の本の翻訳出版をあまり積極的にはしないといった保守性も感じます。

一般の原稿の持ち込みを受け付けない出版社も多いなか、この作品はデビュー前の作家の持ち込み発。作家のこどもを観察する目が物語のすみずみまでいかされ、さらに『王女さまが12人登場』というインパクトのあるシリーズもの。背表紙のデザインなども、棚に並べたときに目にとまりやすいよう工夫されていて、店頭での見映えや買う側の気持ちがよく考えられている作品だな、と思ったんです」(北川氏)

『王女さまのお手紙つき』に登場する王女さまたち
 

『王女さまのお手紙つき』の著者ポーラ・ハリソン氏は、教師をしながら作家を目指していたが、本作でデビュー。強く、賢く、男性に頼らず自立している王女たちが活躍する点が女の子たちとその母親に支持され、欧米ですぐにミリオンセラーに。

「プリキュアやセーラームーンのように『戦士』というわけではなく、ふだんは王室メンバーとして親の公務に同行するような王女さまなんだけれども、行った先で好奇心旺盛に冒険に出かけたり、正義感をもって行動するところが人気です。

ポーラさんは、この年ごろの子が興味を抱くような、子ども同士の内緒の行動や、大人の持つ弱い部分を描くのがうまい。それから動物の赤ちゃんが必ず登場する点、どの巻からでも読み始められる点も人気の理由になっています。

女の子だけでなく母親にも人気なのは、医者、獣医、ヘリのパイロットなど作中で活躍する人物も多くが女性であることと、各巻とも親が子どもに伝えたいと思うような、人として大切にしたいことがわかりやすくテーマになっており、王女さまが友情を大事にしていることが理由ではないかと思います」

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