あなたの体調は大丈夫?(photo by iStock)

新型コロナをめぐる、日本人の危機意識の「ばらつき」について

現実となった『首都感染』②
東京五輪は延期され、イベントの自粛が始まった3月に入っても、日本人にはまだまだ危機意識が薄かった――10年前に書かれた「予言の書」として今、爆発的に読まれている『首都感染』の著者・高嶋哲夫氏が、「新型コロナと日本人」について書きおろすドキュメント連載第2回!
 

第1回:10年前の予言書『首都感染』著者が振り返る「新型コロナ騒動」前夜

「予言の書」を映像化したい

2月27日、安倍首相は全国のすべての小中高校、特別支援学校を対象に、「3月2日から春休みまで、臨時休校」を行うよう要請した。前日には、「今後2週間の大規模イベントの中止や延期」を要請している。

この日、2人の知り合いが僕の仕事場に来た。

『首都感染』を映像化したいというのだ。一人の方とは20年来の知り合いで、退職はしているがテレビ関係の方だ。去年の暮れ、彼の古希のお祝い会でお会いしている。

『首都感染』が「予言の書」として話題になり、売れていると言うが、僕には実感はなかった。僕に入っている情報は、2000部の増刷が2回だけだ。後は、本屋にないので個人的に欲しいと言うもの。神戸でも田舎に住んで、あまり多くの人と話さず、本屋にも行かないと情報には疎くなる。

「予言の書」と言われていることには興味がなかった。フェイスブックとツイッターは書いているが、自分への備忘録と、知り合いへの近況報告、居場所報告だと思っている。その他のサイトは、仕事上の検索以外はほとんど見ない。

ハリウッドを目指して

映像化については、「よろしくお願いします」と答えた。

実はこの手の話は、ほとんど期待していない。本を出すと何冊かには映像化の話は来る。千三つという言葉を聞いている。千ある話で三つ実現すればいい。映像化はそれほど難しいという譬えらしい。僕の本で映像化されたのは、三つしかない。

「高嶋さんの本を映像化するには、お金がかかります」……そう言われたことがある。僕もそう思う。でも、そうでもないモノもあるはずだ。ようは、売れていないのだ。日本での映像化は諦めていた。

『メルトダウン』『命の遺伝子』『乱神』は、英語出版、ハリウッドでの映画化を目指して書いた。『乱神』をのぞいて、舞台は外国。日本人は日系人しか出ない。もちろん、日本語なので、まず英語にしなければならない。

『メルトダウン』は、『FALLOUT』というタイトルでアメリカで出版されたが、ほとんど売れていない。『命の遺伝子』は中国の南京大学で翻訳して出版してくれた。現代に生きるナチス、謎の遺伝子を持つアマゾンの少女、バチカンの秘密、スピルバーグさんが読めば、飛びつくと信じている。しかし彼は、日本語も中国語も読めないだろう。

ハリウッドでの映画化。誰も本気で考えてくれないので、自分でやることにしたのだ。

翌日、金曜日は、全国ほとんどの小中高校で学年最後の登校日になった。

小学生の子供を持つ親には、働き方を変える大問題だ。マスコミはこぞって、学校現場や保護者の混乱ぶりを取り上げている。

首都圏、大阪など感染者が多い県では納得するが、まだ多くの県で感染者は一桁、二桁で、ゼロの県もいくつかあった。