なぜ「なぜ?は何度も繰り返すべき」なのか?「WHY」の4つの特殊性

連載『問題発見力を鍛える』vol.9
細谷 功 プロフィール
 

実は通常はひとくくりにされる5Wの中でもWhyは特別な存在なのです。それは例えば以下のようなことです。

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・4Wへの回答は「名詞で一言」で終わるが、Whyへの回答だけが「○○だから」となる

例えば「どこですか?」に対して「北海道」、「いつですか?」に対して「20時」、「誰ですか?」に対して「鈴木さん」というのが4W型の問答です。

ところが「なぜ?」に対して名詞一言で答えても全く意味が通じません。「○○が××だから」と大抵は主語と述語がある文での回答になるはずです。このことは次の項目とも関係してきます。

・4Wは「個別事象」が対象でWhyは「関係性」が対象である

4Wが尋ねる対象は「もの」「時間」「人物」「場所」といったものですが、Whyが尋ねているのは「手段と目的の関係」「原因と結果の関係」といった、2つ以上の事象の関係なのです。

・4Wは「点」、Whyは「線」

前のポイントは、4Wが一つ一つの点であり、Whyはそれらをつなぐ線であるという違いです。つまりこれらは0次元と1次元という、「次元の違い」があるのです。

・4Wは繰り返せないがWhyは繰り返せる

「『なぜ?』を5回繰り返せ」というのは製造業の現場等で、トラブルの真因を追求する際に唱えられてきたことです。まさに表面上の問題だけではなく「真の問題を発見する」ために「なぜ?」が活用されてきた実例と言えます。この場合は結果に対する原因という関係を「さらにその原因は?」「さらにその原因は?」と問いかけることで「根っこ(真の問題)から根絶する」ことにつなげています。

今回は問題発見に対する基本中の基本でありながら応用範囲も広い「なぜ?」に対するなぜを考えました。次回はこの特殊性が問題発見とどのように関係するのかを少し抽象度を上げて考察します。そのために「そもそも『問題』とは何なのか?」と問題そのものへの問いから始めたいと思います。

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