「もしドラッカーが香港人だったら…」今、何と戦うのか

歴史は繰り返すのかもしれない
大原 浩 プロフィール

ウイグル人権蹂躙が続く理由

もちろん、チャーチルもドラッカーもファシズム同様、共産主義についても警戒を怠らなかった。しかしながら、第2次世界大戦当時の共産主義国家の筆頭であるロシアは貧しく、中国大陸はまだ共産化されていなかった。

それに対して、ドイツの軍事力、科学技術は圧倒的で、フランスなどはあっという間にひねりつぶされた。また、戦後の米ソの宇宙開発競争の主役は、ナチス政権下でV2ロケットなどを開発していたヴェルナー・フォン・ブラウンを始めとするドイツ人の優秀な科学者たちである。ドイツは卓越した先進国であったが故に大きな脅威であったのだ。

したがって、共産主義との戦いを後回しにして、ファシズムとの戦いを優先したのも仕方がないであろう。

しかし、戦時の功績が素晴らしかったチャーチルは人気があったものの、1945年の総選挙で労働党が勝利したため、首相の座を去る。また、ドラッカーはマネジメントや経済関係の著書においても、8000万人の中国人民を死に追いやった(西側推計)毛沢東や、スターリンをヒットラーと同じように厳しく断罪しているが、冷戦終了後の平和な時代に亡くなった。

そのためもあってか、共産主義中国が行う、ナチス・ドイツのアウシュビッツに匹敵するウイグルでの人権蹂躙はいまだに続く。もちろんチベットを始めとする少数民族も独裁の脅威にさらされている。

アウシュビッツ強制収容所 photo by Gettyimages

だがもし、2人が存名で香港人であったとしたらどうであろうか? ナチス・ドイツのように迫りくる共産主義中国との闘いに勇気を持って参加する道を選んだに違いない。

 

ちなみに、チャーチルは「20歳までに共産主義に染まらない人物は情熱が足りない。20歳を過ぎて共産主義を支持する人間は知性が足りない」と述べている。

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