何かの冗談か? マスク禁止から着用、活動家を次々逮捕…衝撃の現実

香港情勢からコロナ後の世界を考える
阿古 智子 プロフィール

国際社会の協力を得て中国政府に圧力をかけようとする黄之鋒らの態度に、中国政府は激怒しているようだ。

中国共産党の機関紙『人民日報』系の新聞『環球時報』は9月2日、黄之鋒が渡米を前に周永康(雨傘運動のリーダーの一人で2017年に黄之鋒、羅冠聡と共に逮捕される。有罪判決を受け6ヵ月服役)とともに『ニューヨーク・タイムズ』(9月1日)に投稿したオピニオン “The People of Hong Kong Will Not Be Cowed by China --- You can arrest us. But more protesters will keep coming out”(香港の人々は中国には脅されない。中国は我々を逮捕したらよい。そんなことをしても、より多くの抗議者たちが活動を続けるだろう)(1)に対し、「社説」で痛烈な批判を展開した(2)

「黄之鋒ら若い“新世代”の売国奴たちには弱みがあり、自らの小さなグループの利益のために、香港の未来を危険な賭けにさらそうとしている。路上で暴力行為を組織し、空港を封鎖し、政府機関を襲撃し、国旗や国章を侮辱し、“一国二制度”という大きな枠組みを揺るがすことに失敗した」

「歴史上の全ての売国奴と同様に、外部勢力の太腿に必死でしがみ付き、自らの拠り所を見出そうとしている。彼らはとても古臭く、中国の歴史のなかで落ちぶれていくだろう」

『環球時報』は2月20日、「“河童”黄之鋒 感染症流行下の狂気」と題した文章を転載し、黄之鋒らが調達したマスクについても反応した。「河童」は、黄之鋒自身も自分を面白おかしく表現する時に使うことがあるが、『環球時報』は黄之鋒を嘲りたいのだろう。記事の内容をざっとまとめるとこんな感じである(3)

「厚顔無恥な黄之鋒は市民を騙している。米国で調達した10万枚は歯科とネイルショップ向けのもので、細菌やウィルスの侵入を防止する条件を満たしていない。中南米で調達したものは1セット50枚を98ドル、つまり1枚0.1ドル(約0.78香港ドル)で販売しているが、最初に米国で調達した一枚1.96香港ドルのものより安く、より質の低いものではないか」

「生産地の中南米のホンジェラスは、世界の最も貧しい国の一つで、コーヒーは有名かもしれないが、軽工業のレベルは非常に低い。こんな国から輸入したマスクの質が保証されていると言えるのか。現地で、建築労働者が粉塵を吸うのを予防するために使うようなマスクだろう。「香港独立分子」で香港衆志の頭目の黄之鋒は、マスクの販売を口実に、資金を確保しようとしているのではないか」

2019年12月15日、黄之鋒がスウェーデンの環境活動家・グレタ・トゥンベリに、香港のデモと環境問題に取り組むグレタの自由を求める姿勢に類似性があるとし、「中国はいずれの問題でも信頼に値しない。世界は目的達成のため、団結しよう」とツイートしたのに対し(4)、グレタは「ジョシュア・ウォンの勇敢で鼓舞を与える重要なメッセージだ」とコメント。

それに対し、『環球時報』は「危険なPR行為だ」と反発し、、「火炎瓶は環境汚染だ」「香港の反政府抗議者たちは、世界の注意を引くためにグレタを利用している」などと批判した(5)

 
(1)“The People of Hong Kong Will Not Be Cowed by China --- You can arrest us. But more protesters will keep coming out”, New York Times, September 1, 2019.
(2)「評論:新生代漢奸毀不了香港,只会自毀人生」『環球時報』2020年9月2日
(3)“河童”黄之鋒 疫情下的瘋狂」『環球時報』2020年2月20日(「有理児有面」からの転載、https://china.huanqiu.com/article/9CaKrnKpu8J
(4)@joshuawongcf、2019年12月15日(https://twitter.com/joshuawongcf/status/1206101077407305728
(5)@Greta Thunberg、 2019年12月15日(https://twitter.com/gretathunberg/status/1206159412571889664