私たちが「接触8割減」「三密回避」できないシンプルな理由

効果的な「行動変容テクニック」とは?
原田 隆之 プロフィール

2 ドアノブやスイッチなどに触れたあとは、手で顔をさわらないようにしよう

この行動が難しいのは、「先行刺激」がわかりにくいことである。ドアノブやスイッチは、別に有害な刺激ではない。問題は、そこにウイルスが付着している危険があるということだ。目立った汚れがあれば意識できるので、汚れた手で顔を触ろうとは思わないし、すぐに手を洗うだろうが、ウイルスは目に見えないので、先行刺激にはならない。

この解決法としてネットで紹介されていたのは、ウイルスの絵の描かれたシールをノブやスイッチ、取っ手などに貼るという方法である。開発者は、誰でもダウンロードできるようにそのイラストを公開してくれている(個人使用に限定:https://mazu-jibu.com/download/13882/)。これを透明なシールに転写して、ドアノブなどに貼っておくと、それが「先行刺激」となって、手洗い行動のスイッチが入るし、無意識的に顔や口を触らなくなる。

〔PHOTO〕iStock

顔を触るというのは、ほとんどの人が無意識的に行う行動であるので、それを物理的に阻止するという方法も効果的だ。無意識的ということは、「先行刺激」に気づいていないということで、これを気付かせるのはなかなか難しい。

多くの場合は、手持ち無沙汰とか緊張感など、特段意識されない「先行刺激」である。したがって、いつスイッチが入るかわからないので、「先行刺激」と「行動」の間を遮断するのである。

 

いつスイッチが入ったとしても、行動が生起しないように物理的に遮断しておけばよい。この点、汚れた手で顔を触りやすい外出時に常にマスクをしておくというのは理にかなっている。また、「手を肩より上にあげないようにしましょう」というメッセージも具体的かつシンプルで効果的である。