私たちが「接触8割減」「三密回避」できないシンプルな理由

効果的な「行動変容テクニック」とは?
原田 隆之 プロフィール

1 十分に手を洗おう

手洗いの大切さは誰もがよくわかっている。外から帰ったら手を洗う、食事の前やトイレの後には手を洗うということは、皆理解しているし実践している。つまり、「刺激による支配」は多くの人に成立しつつある。

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しかし、手洗いの難しいところは、その手洗いが十分なのかどうかがなかなか実感できないところにある。つまり、「結果」が目に見えないため、行動が宙ぶらりんで終わっているような状態であり、それがなんとなく座りが悪いのである。だとすると、結果を目に見えるようにすれば、そしてそれが心地よいものであるようにすれば、手洗い行動が「強化」され、実行しやすくなる。

そのために便利なものが、すでに発売されている。それは、ハンコメーカーから出されたスタンプである。このスタンプを手洗いの前に手の平や甲に押して、インクが完全に消えるまで手洗いするというものだ。子どもに手洗いを教えるときに重宝するスタンプであるが、大人であってもこのスタンプを利用すると、洗った「結果」が目に見えるので行動が完結して、強化されやすくなる。

 

また、別のちょっとした工夫として、香りのよいハンドソープを使うというのもよいだろう。毎日の無機質な手洗いではなく、手を洗うことの「結果」としてよい香りが楽しめると、これも「強化」になる。好きな音楽を口ずさみながら手を洗うというのもよい。20秒から30秒ほどのフレーズを決めておいて、手洗いすることを習慣にするのである。