直前まで舞台で走り回っていた

冒頭でご紹介した、ブーツを履いて転んだ少し前のことからお話しましょう。

最初の大きな違和感を抱いたのは2019年3月でした、今から約1年と少し前です。その時私は舞台の朗読劇でアドリブをガンガンと発して客席になだれ込むくらいに元気に動いていました。花粉症でもある私は例年通りに声がハスキーになり「3月の津久井はいないものと思ってくれ!」などと周囲に告知するほどの体調でしたが、舞台が容易にできるくらいに体は動いていたのです。

自身でコーディネートして、声優仲間にも声をかけ、多くの朗読劇も上演してきた 写真提供/津久井教生

「どでかく転んだ事件」が起きたのは、その直後のことでした。

ALSは、筋萎縮性側索硬化症という名の通りに身体の筋肉が萎縮して硬化して動かなくなっていきます。先ほど書いたように、「3年から5年の期間を経て」寝たきりになることが通常の症例だと考えると、残念ながら私の進行度合いは早い方であるという可能性が高いと思われます。

2回転んだ後は、春になり靴もウォーキングシューズタイプになったことも一因なのか、階段の上り下りの「上り」に若干の疲労感を感じるものの、転ぶことは無くなりました。ですからこの時点でも「基本的に運動不足からくる筋力低下」に過ぎないと思っていたのです、この年代にはよくある、「年取ったなぁ~」と仲間内の共通の笑い話の1つになるようなことです。それでも年に比べて若いことを自負する私は、4月から運動能力の低下を防ごうと考えました。