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無観客レースが売上好調、そのウラで競馬界を苦しめる「悩みのタネ」

セリ中止、競馬専門紙の休刊…
佐藤 永記 プロフィール

さらには個別に取引が成立するまでは馬の飼育費用は牧場持ちになるなど、同価格で売れたとしても売れる時期が遅くなるほど、牧場側の収益は下がることになる。

また、実際に馬が走ってどうか、歩いてどうかを確認したい馬主は多く、カタログで売るとなると良さを説明しづらいのも問題だ。今後、オンラインカタログに動画をつけるなどの手法を検討することになるのではないだろうか。

 

実は大きい「海外馬券」の損失

また、新型コロナウイルスは世界に渡る問題がゆえに国際交流競走に外国馬が来日しづらい、あるいは海外の競走に日本馬が遠征しづらい情勢となっている。

そもそも3月28日に開催要諦であったドバイワールドカップデーは日本馬が現地に到着した後に中止が決定。アーモンドアイをはじめ19頭が無駄足の遠征となってしまったことは記憶に新しい。

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こうなるとJRAが実施している海外競馬発売にも影響が及ぶ。2019年の海外競馬発売売上は、日本のG1レース一つ分に匹敵する額を売り上げた。売上額だけ見ると「なんだ、G1ひとつ分か」と思うかもしれないが、他が主催するレースを馬券発売する形式のため利益率は非常に高い。

これらが実施されない、もしくは日本馬が遠征しないとなると、見込んでいた売上が消えてしまうことになる。実際、昨年のドバイワールドカップデー対象4レースでのJRA発売総売上は30億9014万2100円であったが、今年も同じ4レースを予定していたため、同等かそれ以上の機会損失となってしまっていると言えるだろう。

このように、主催者側にも明確な損失となっている部分は存在しているのだ。