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突如流れた「金正恩危篤説」が意味していること

証拠はない。ただ…

「派手な訓練」のあとの沈黙

先週からあちこちで囁かれていた北朝鮮の最高指導者、金正恩朝鮮労働党委員長の健康異常説が21日、一気に火を噴いた。

火付け役は米CNN。米政府当局者からの情報だとして「金正恩氏が手術を受けて重篤な状態にあるという情報があり、米政府が注目している」と報じた。これについて韓国大統領府報道官は同日、記者団に対して「現在まで北の内部で特異動向は確認されていない」と述べ、「重体説」を否定した。

一体何が事実で、何が事実ではないのか。

朝鮮中央通信公式サイトより
 

関係者が異変を感じ始めたのは、4月15日のことだった。韓国軍合同参謀本部などによれば、北朝鮮はこの前日の14日朝、日本海側の江原道(カンウォンド)文川(ムンチョン)付近から数発の地対艦巡航ミサイルを発射し、海上の標的艦に命中させた。戦闘機も参加し、数発の空対地ミサイルを発射したという。

米韓などの関係国は、金正恩氏がこの頃、平壌を離れて地方に滞在しているという情報を得ていた。朝鮮中央通信は12日、正恩氏が西部地区の北朝鮮軍が行った戦闘機訓練を視察したと報じてもいた。

このため、関係国はてっきり、正恩氏がこの演習を視察したと考えた。虎の子の航空燃料を使ってまで戦闘機訓練を行ったこと、正恩氏が西部地区の戦闘機訓練を視察していること、標的艦や巡航ミサイルを使った派手な演出を行ったことなどを考慮したからだ。

だが、翌15日朝の朝鮮中央通信はこの演習について沈黙した。関係者らは不思議がった。