ジャーナリストの島沢優子さんは、夫と大学生の息子、そして娘の4人家族。就職活動もある息子は、小池百合子都知事の自粛要請のあった3月25日以降も、時折外出をせざるを得なかった。そして現れたコロナ症状。かかったかも?――みなさんはどうするだろうか。

食卓が凍り付いた

4月3日。
東京郊外に住むわが家。その日の夕食は、鶏の手羽元と大根、レンコンの甘酢煮、前の晩に煮込んだもつ煮込み、わかめと卵のすまし汁、大根とレタスのサラダだった。
シーザードレッシングがよくからんだ大根の千切りを箸ですくいながら、22歳の長男がぼそっとつぶやいた。

「味がしないんだけど」

まさか、コロナ!?
楽しいはずの夕げの食卓が一瞬にして凍り付いた。
「えーっ、うそ。離れて、離れて」
妹である長女が椅子を離すのを見ながら苦笑いする余裕があった。まだこのときは。
「おかしいなあ。このお茶も水みたいに感じる」
長男が指さしたのは、とうもろこし茶。甘いコーンの風味はもともと濃くはない。
「気のせいじゃないの?」と私が言うと、慎重な夫は「おまえ、今日だるいとか言ってなかったか?」と尋ねる。

「うん、ちょっとだるくて……」
よく見ると耳が赤い。
すぐに熱を測ると36度8分。平熱ではあるが、高めだ。息子に平熱を尋ねたが「わからない」と言う。時計は19時30分。この後上がるのではないか。嫌な予感がする。念のため、息子は他の家族3人から離れて食事をとった。

味がしないと大騒ぎになった夕ご飯。コロナ自粛になって以来、島沢さんは昼夜のご飯を記録していた 写真提供/島沢優子