だいたいのストレスの根源は
人間関係。故の“ひとり”を選択

ーーGWや盆休みなどの大型連休になると、「ひとり」がより浮き彫りに。「どこかに行かなきゃ」「誰かに会わなきゃ」とせっかくの休みがストレスになる人も少なくなかっただろう。

「それこそ、休みの日ぐらい自由にしませんか?って思います。大型連休なんて一年の中でもめったにない貴重な休みじゃないですか。誰かと旅行したいなら行けばいい。ただ、不満は必ず出てくるでしょうけどね。時間を有効に使うにはやっぱりひとりが最強だよ。どんなに仲のいい友人だとしても、お腹がすくタイミングも、食いたい物も、食いたい店も違う。僕の好きな旅のスタイルは、行き先を特に決めないで歩いていて、気になったところに寄るスタイル。観光名所は特に興味がないんですよ。

初めて行った海外はイギリスとフランスでした。男友達と二人で行ったんだけど、パリでは『なんでエッフェル塔に行かないの?』と、その友達の価値観を押し付けられてね。僕は地元の人が行くようなカフェでお茶したり、メトロに一人で乗るほうが楽しめるのに、『なんでそんなことやってるんだ?』と言われた。僕は僕で、とあるミュージシャンの墓の前で泣いてる友達を見て気持ち悪いなって思ってた。

そいつは僕よりもちょっと英語が話せるヤツで、それだけでなんか偉そうなんですよ。僕は初めての海外で、自分で『How much?』と言って買い物をしたいのに、横から口を出してきて俺の経験を奪っていったんです」

ーー俺の「How much?」を奪うなよ、ということですね。

「そうそう。つまり伝えたいのは、価値観の違うヤツと一緒にいても、せっかくの休日も楽しくねぇよってこと。あなたはどっちをとるの?って話です。僕は、バイきんぐの西村くんや、うしろシティの阿諏訪くんたちと『焚き火会』というソロキャンプのグループを作っているんだけど、その会の何が素晴らしいかというと、みんなが“ひとりで生きる”というマインドを共有しているから。圧もないし、しがらみもない

写真提供/ヒロシ・コーポレーション

正月はみんなと一緒にキャンプに行ったりもするんですけど、基本的には自分が食べる物も寝床のテントも、みんなそれぞれ好きにしている。帰りたいときは誰にも何も言わずにさらっと帰っても、お互いなんとも思わない。誰もストレスがない状態だから成立しているんです。人の目とかじゃなくて、自分が心地いい状態でいられることのほうが、ずっと価値があると思うんです

ーー当分は旅行もキャンプも楽しむことはできないけれど、「ひとりで好きなように過ごす」はどんな場所でも有効だ。冒頭で言っていたように、ベランダでソロキャンプをイメージし、Zoomを使ってみんなでオンラインキャンプをしてもいいかもしれない。孤独なのではなくて、ひとりを楽しむ。ヒロシさんの考え方は、他の人と繋がりたくても会えない現状の救いになるかもしれない。

芸人兼ソロキャンプYouTuber。1972年、熊本県出身。ピン芸人として「ヒロシです。」のフレーズではじまる自虐ネタで一世を風靡する。現在は「FOREST COFFEE」を経営しながら、趣味であるソロキャンプの動画を「ヒロシちゃんねる」で配信中。チャンネル登録数は63万人を超える。BS朝日『迷宮グルメ 異郷の駅前食堂』に出演中。著書に、シリーズ50万部を突破した『ヒロシです。』『ヒロシです。2』(ともに扶桑社)、『働き方1.9 君も好きなことだけして生きていける』(講談社)、『ひとりで生きていく』(廣済堂出版)などがある。