衝撃試算…日本企業はコロナショックに、どれだけの期間耐えられるか

一刻も早く政府の支援が必要だ
加谷 珪一 プロフィール

仮に、全国の企業の売上高が2割減少した場合、企業の財務はどうなるだろうか。

人件費などの固定費と銀行への返済額に変化がなかったと仮定すると、資本金10億円以上の企業の場合、売上高が2割減少すると、全体で毎月3兆6000億円以上のキャッシュアウトが生じる(借入返済については平均借入期間で毎月返済したと仮定)。だが先ほども指摘したように、大企業は潤沢な現金を保有しているので、現金が底を尽きるまでには18カ月の猶予がある。

大企業はこれまで、内部留保の蓄積について「イザというときのために必要である」と主張してきた。今はまさにイザという時であり、この潤沢な内部留保を活用すべきタイミングだろう。

 

政府による休業支援の効果は絶大

だが、この18カ月というのは、あくまで大企業全体の話であって、業種ごとに資金繰りの環境は大きく異なる。例えば、宿泊業など、大きな借入金を元に建物などの設備を作り、銀行に多額の返済を行う業種の場合、キャッシュアウトの負担は大きく、大企業であっても7カ月程度で現預金が消滅する。

業種によっては、大企業であっても、短期間で資金繰りが難しくなる可能性があることは否定できない。

この結果は、人件費が従来と同じと仮定した場合の数字である。もし政府が従業員(国民)に対する所得補償を手厚くすれば、企業は社員を休ませる決断がしやすくなり、人件費負担が大幅に減る。業種によっては人件費負担が銀行返済よりもかなり重いので、政府の支援があると、企業が延命できる期間は飛躍的に伸びる。政府や自治体による所得補償の効果が極めて大きいことがお分かりいただけるだろう。