衝撃試算…日本企業はコロナショックに、どれだけの期間耐えられるか

一刻も早く政府の支援が必要だ
加谷 珪一 プロフィール

コロナによる影響は様々であり、すでに廃業に追い込まれたところもあれば、まだ大きな影響を受けていないところもある。だが、緊急事態宣言が全国に拡大し、営業自粛が長期化した場合、全国的にモノやサービスの販売が減少するため、直接的には打撃を受けない企業の業績も悪化してくる。

すでに一部の製造業では、長期的な需要減少を前提に生産調整に入った。あくまでマクロ的なものだが、日本の企業がどの程度、手元資金で耐えられるのか考えておくことは重要である。

 

大企業は潤沢な現預金を持っている

ひとくちに企業といっても、潤沢な内部留保を持つ大企業と中小企業とでは経営環境に大きな違いがある。特に日本の大企業は、過度に内部留保を蓄積し、資金を有効活用していないと指摘されてきた経緯がある。2019年12月末時点で、資本金10億円以上の大企業が保有する内部留保は241兆円に達しており、このうち、すぐに取り崩すことができる現預金は64兆円となっている。

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だが、この数字はあくまでも企業全体であって、業種ごとに資金繰りの状況は大きく異なっている。

一般的に企業は、モノや原材料を仕入れて、顧客に販売して利益を得ている。仕入れは基本的に変動費なので、販売量が減れば、その分だけ仕入れも減るが、販売額から仕入れ額を引いた粗利益も減少してしまう。一方、人件費や銀行に対する返済、家賃などは固定費なので、販売状況にかかわらず、毎月、支払いが発生する。仕入れがなく、人が何らかの形でサービスを提供する業態の場合、支払いのほぼ全額が固定費というケースもある。