日本社会は「巨大な中学校」のよう…コロナ危機で克服すべき3つのこと

だからこの国は衰退の一途をたどってきた
内藤 朝雄 プロフィール

「なめるなよ、54のおっさんを!」

【事例1】

パナソニック産機システムズの人事課長が内定者にSNSでハラスメントを加え、自殺に追い込んだ。

人事課長は書き込みが少ないといった理由で内定者をSNSから排除したり、「無理なら辞退してください、邪魔です」などと内定辞退に言及したりしたほか、「ギアチェンジ研修は血みどろになるぐらいに自己開示が強制され、4月は毎晩終電までほぼ全員が話し込む文化がある」などと入社後の過重労働を示唆したりしていたという。(「朝日新聞デジタル」2020年4月9日付記事、2020年4月17日入手)

上記「朝日新聞デジタル」中の写真(「人事課長による内定者SNSサイトへの書き込みの文面(遺族代理人提供)」)には、次のような人事課長の言葉があった。

サイトやってないような奴は、丸坊主にでもして、反省を示すか?
僕も人間です。感情はあるよ。
僕は徹底して、露骨にエコ贔屓するからね。
なめるなよ、54のおっさんを!
決して人格者ではないよ。
嘘つく奴は許せないんだ。

会社員が「社畜(会社の家畜)」と呼ばれる日本企業では、このようなことはえんえんと繰り返されてきた。他の先進諸国からは気が狂っていると思われるようなことではあるが、会社が従業員を人格のところから会社の色に染め上げようとするのは、日本社会ではありふれた光景である。

ここで着目すべきは、パナソニック産機システムズは産業機械の会社であるにもかかわらず、報じられた人事課長によるハラスメント言動のなかに「機械」のキの字も出てこないことである。

 

「過重労働を示唆した」と報じられる「過重労働」の中身は、自分や自分の心について、徹底的に告白させられるとか、「お話し会」を延々とやらされるといったことであって、機械を扱う本物の労働ではない。被害者を自殺に追い込むまで過重だったのは、労働ではなく、他人から心をいじくりまわされる奴隷ごっこである。

もちろん、研修に多大な費用をかけてこんなことをさせても、企業の収益にはならない。新入社員を会社の色に染め上げる奴隷ごっこに熱中しているだけである。日本企業の生産性が低いのは、こういうことをしているからである。