日本社会は「巨大な中学校」のよう…コロナ危機で克服すべき3つのこと

だからこの国は衰退の一途をたどってきた
内藤 朝雄 プロフィール

経済の縮小、低い生産性、人間を魂の深いところから会社と学校の従属物にする中間集団全体主義という3点セットは、不可分にむすびついて、日本の社会と人々に呪いをかけてきたといってもよい。

日本の雇用はジョブ型ではなくメンバーシップ型と言われている。そこでは、次のような現実感覚がつらぬき通されている。すなわち、

良い商品や良いサービスを市場に提供して収益を上げることよりも、ひとりひとりの社員が、人格の深いところから会社のメンバーとして染め上げられた会社のモノであることを、仲間内で示しあう努力(そのようなフリをする精神的な売春に耐えること)が働くことである

という現実感覚である。つまり、多くの「企業人」にとって中学校の集団生活ごっこをすることが働くことなのである。

〔PHOTO〕gettyimages

それはちょうど、長時間一定の姿勢で座り、センセイの話を右の耳から左の耳に通してノートに字を書くことが英語や数学を学習することである、と誤認する習慣を、学校生徒が身につけるようなことである。

これは「生徒らしく」することであって、英語や数学を学習することではないにもかかわらず、本人は学習していると認識してしまう。

結果、朝から夕方まで学校で授業を受け、さらに塾にまで行っても、英語や数学がろくにできない無能が身につく。彼らが身につけているのは、学校の生徒らしい生徒であるというメンバーシップであって、英語や数学ではないのである。

 

このように中学生が授業を受ければ受けるほど無能になるのと同様、メンバーシップ型雇用で会社員になった人々は、無駄に集まり、無駄にベタベタさせられ、みんなで会社のメンバーらしいふるまいをし合うことをもって仕事をすることであると誤認する。

良い製品やサービスを市場に提供する苦労ではなく、会社のなかの人間関係を気にする不安が、最大の仕事上の苦労になる。これでは主要先進7カ国中、生産性が最下位になるのも当然である。

長時間会社で中学校の部活のように過ごし、無駄に集まる人間関係が仕事の主要部分を占める。これが学校と会社の奴隷となった日本人の不幸であり、経済的非効率の元凶であり、わたしたち大人を貧乏な中学生におとしめる原因なのである。