それにしても、吉村知事の目配りの効いたこうした考えが出てくる背景には何があるのだろうか。ひとつは、コロナによって世界の状況が大きく変わったことが大きいと筆者は考えている。
これまでは何事も人と会って判断する、決めるという直接的な世界だった。それが今年から新型コロナウィルスに感染しないのが最良の生き方となった。そのために「人と会わない」、「近寄りすぎない」、「大声を出さない」といった非対面的な生き方が、老若男女問わず、社会のあらゆる領域で、高く評価されるようになった。
仕事をする時でも、在宅勤務でオンラインのディスプレイ画面上で会社の上役や同僚と会議する「テレワーク」が普通になっている。
子供たちは休校の間、「オンライン授業」で勉強することになる。直接対面して生徒に飛沫を飛ばしてウィルス感染させることのないように、先生は画面ごしに生徒に指示を与えたり、答えを聞いたりするようになったのだ。
コミニュケーションの仕方が大きく変わりつつあると言えるだろう。
これまでは、物を買うときにも、長い列を作って、ウィルスまみれの小銭のやり取りをし、無意識にウィルスに感染したり、感染させたりしていた。それも、電子マネーなどによる非接触のキャッシュレス決済であれば、そんなリスクがなくなる(しかも、ちょっぴりポイントがつくこともある)。