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コロナで失業者2000万人超か…中国経済の急落「負の衝撃」に備えよ

中国国内で大変なことが起きている

まさかのマイナス成長

私は過去30年以上にわたって、中国をウォッチしているが、まさか自分の目の黒いうちに、このような時代が来ようとは、想像だにしていなかった。それは、中国経済のマイナス成長である。

だが、よくよく考えれば、中国のGDP成長が、第1四半期(1月~3月)にマイナス成長になることは、自明の理だった。なぜならこの間、14億中国人が多くの時間、引きこもっていたのだから。そんな状況下で、前年同期と較べて成長するはずもないのである。

私が注目していたのは、それよりもむしろ、中国国家統計局がどう発表するかだった。過去には市場の予想を大幅に上回る「成長ぶり」をアピールしたことも、たびたびあったからだ。

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思い起こすのは4年前、2016年1月19日に行われた王保安国家統計局長の会見だ。前年の2015年の中国経済は、株価の急落を始め、惨憺たるものだった。だが王局長は、内外の数百人の記者団を前に、「2015年の中国のGDPは6.9%増大し、極めて健全に成長を続けている」と胸を張った。

すると、英字紙『デイリー・チャイナ』の若い記者が、挙手してこう質問したのだ。

「多くのメディアや研究機関が、中国政府が公式発表するGDP成長率の真実性について疑問を投げかけている。中には『本当の経済成長率は5%以下だ』と暴露するものもあった。こうした多くの疑念に対して、どう答えるのか?」

中国の大臣級の記者会見では、まず見ることのない「爆弾質問」だった。だが、この時の王局長の答弁が振るっていた。

「私も外部の人たちが勝手に邪推しているのは見聞するが、それらの評論には2種類あるのをご存じか? 一つは、いまあなたが指摘したように、国家統計局は経済統計を水増ししているというものだ。だがもう一方は、中国の経済成長があまりに目覚ましいので、国家統計局は実際のGDP成長よりも控えめに発表しているというものなのだ」

この大言壮語には、恐れ入ってしまった。そして王局長は、素知らぬ顔で中国経済がいかに順調に成長しているかを、強調し続けたのだった。

 

この話には、後日談がある。この会見からちょうど一週間後の同年1月26日、何と王局長が特警(特別警察)にひっ捕らえられてしまったのである。

後に判明したのは、この日の晩、王局長は北京首都国際空港から、若い愛人とともにパリへ高飛びし、亡命するつもりだったということだ。欧米の銀行には、不正蓄財した多額の預金が眠っていたそうである。

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