世界が直面している海の環境問題に対して、私たちができることは何だろう。具体的なアクションはもちろん大切だけれど、まず知って欲しいのは「海の魅力」。海を好きになれば、守りたくなります。海ごみゼロの未来を作る第一歩を踏み出しましょう。

海の魅力をシェアすることで
ごみゼロの輪を広げたい

近年、ニュースなどでも頻繁に取り上げられるようになってきた海の汚染問題。それらが決して遠い世界の出来事ではなく、自分の暮らしに直結することだと実感を持ち始めた人も多いはず。それは、海と自分との距離がぐっと縮まったという証拠。海ごみゼロの未来を作る第一歩は、そこから始まる。

日本財団は、そうした「海と人を近づける」ためのきっかけ作りとして、「海と日本PROJECT」を行なっている。内容は、「海を学ぼう」「海をキレイにしよう」「海を味わおう」「海を体験しよう」「海を表現しよう」という5つのアクションを柱に、全国のさまざまな団体の活動を支援するとともに、ウェブサイトでレポートやニュース、イベント情報などを発信。環境問題だけでなく、海の魅力や、ワクワクする付き合い方なども広くシェアすることで、美しい海を未来に引き継ぐためのアクションの輪を全国に広げている。

今、世界が直面している汚染や環境破壊の実情を訴えるだけでは海ごみゼロの未来は実現できない。日本財団が行った「海と日本人に関する意識調査」もそれを物語っている。(詳細は後述するが)調査の結果わかったのは、幼い頃に海で楽しい経験をした人は、大人になっても海によく行くこと。そしてそうした人は、より環境への意識が高いこと、さらには自分の子どもを海に連れて行きたいと思う割合が高いこと、など。幼い頃に感じた「海って楽しい」という思い出が、「美しい海を守り、後世に残したい」という思いの源になる。だからこそ、これから先を生きる人々に海と触れる機会を提供し、その魅力を伝えたい。「海と日本PROJECT」は、そんな強い思いから生まれた活動だ。

さらに海ごみ問題により特化して取り組むために「CHANGE FOR THE BLUE」プロジェクトを開始。産官学民のステークホルダーと連携し、海洋ごみ削減のモデルを構築している。環境省と初めて開催した「海ごみゼロアワード」では、海ごみ対策の活動を行う団体から取り組みを募集。優れたモデルを選定し、世界に発信している。

例えば2019年のアイディア部門を受賞したLitterati Japanの取り組みは、身近で見つけたごみを撮影し、共通ハッシュダグをつけてSNSに投稿後、そのごみを拾って捨てるという今の時代ならではのもの。SNS世代の若者が楽しみながらごみ問題に関心を持つことができ、同時にポイ捨ての現状が世界中にシェアされる。さらにごみが捨てられた場所、拾った人がデータ化されるという「クラウドソーシング型のごみ拾い」だ。

ほかにも、これまでの消費の在り方や限りある資源の活用法などに変化をもたらす企業の取り組みも見られ、持続可能なライフスタイルを叶えるために企業にどんなことができるか、多くのアイデアが発信されたのも大きな収穫だったと言える。

人間の活動が招いた海の汚染。それを解決できるのは、やはり人間しかいない。海と接し、その魅力を知ること。これまでのライフスタイルや消費の在り方に変革を起こすための知識や技術を得ること。海ごみゼロの未来のためにできることを、今日から始めたい。

海ごみゼロアワードとは?
海洋ごみ対策に関し、全国のNPO・NGO、企業、公共団体、地方自治体から取り組みを募集し、優れたモデルを選定する日本財団と環境省の共同事業。選定された取り組みは「海ごみゼロ国際シンポジウム」で表彰され、深刻化する海洋ごみ対策の日本の取り組みとして世界に発信される。