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「10万円」だけでは弱い…安倍政権はなぜ「休業補償」をしないのか

コロナショック「これで終わり」ではない

「1世帯30万円」は理解不能だった

先週末の4月17日、安倍首相のちゃぶ台返しがあった。「所得制限つき、1世帯あたり30万円の現金給付」が覆り、「所得制限なし、1人一律10万円の現金給付」となった。これまでの本コラムの読者であれば、この政策変更は正しいと考えるはずだ。筆者は評価する。

4月7日に閣議決定された緊急経済対策で、1世帯に30万円を所得制限つきで現金給付すると決定したが、あまりに不評だった。本コラムでも指摘したが、国民の所得が行政当局にわかるのはあと1年先である。そうした状況で、個人の所得が低下したことを申告により客観的に判断するのは、まず無理だ。

総務省による実施要領をみても、「世帯主の月間収入(本年2月~6月の任意の月)が新型コロナウイルス感染症発生前に比べて減少し、かつ年間ベースに引き直すと住民税非課税水準となる低所得世帯を対象とする」など、元役人の筆者からみても理解不能だった。

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世帯主の収入だけを見ればいいのか、「任意の月」とは2月~6月の5つのうち好きなものを選ぶという意味でいいのか、「年間ベースに引き直す」とはどのような作業なのか、など疑問は尽きない。こうなると、「言い値」で申請してくれ、ということになり、不正申請も多くなるだろうし、誰にも正確にチェックできなくなるだろう。

つまり、「1世帯に30万円を所得制限つきで給付」というのは、こうした非常時には不適切な制度だ。それが撤回されたのは、末端の事務的混乱を避ける意味でも必然だったと筆者は思っている。

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