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漫画界レジェンドの告白「片目は半分見えない。本を聞くのが楽しい」

ちばてつやさん特別インタビュー
石井 徹 プロフィール

――ちなみに、そうやって朗読を聞かれていて、最近、これがいいなあっていう作品は発見しました?

発見したっていうよりも、今、聞いているのは、有島武郎とか、昔のだから。「ああ、まだこれ読んでなかったかなあ」とか、「ああ、これ読んだけど、もう一回読みたい」とか。そういうのを朗読で聞くと、すごく懐かしい。「あ、昔、この人に会ったことあるな」という気持ちになりますよ。

――有島武郎ですか。渋いですね。

山本有三とかね……。あと司馬遼太郎も好きですね。 私、司馬遼太郎の『竜馬がゆく』はね、産経新聞で連載してるときから好きだったの。

――昭和30年代ですよね。

力石が死んでしまって、お葬式したあとですけど、私も力石と一緒に、なんか体調が悪くなってしまった。疲れてたんだね、倒れちゃったんですよ。

――えっ、倒れたんですか?

十二指腸潰瘍になっちゃって、しばらく入院して一、二ヵ月くらい休んだことがあるの。そのときに司馬さんの書かれた、竜馬の足跡って言うのかな。京都に行って寺田屋に行ったりしたんです。京都の町のあちこちにいろんな石碑があるんですけど、そういうものを訪ね歩いたこともありました。

――自分はいま、主に哲学的な、たとえばドストエフスキーだとか、それこそ百年以上風雪に耐えた、ちょっと難しい本をマンガにする、ということをやっておりまして。

ええ、知ってますよ。あれはいい企画だね。

 

――ありがとうございます。

なかなか難しい本っていうのは読みにくいんだけど、マンガにすると入りやすいものね。「こういうことが書いてあるんだな」ってことがわかれば、入り口になりますから。

――そうなんです。読者から頂いた手紙には、たいがい最後に「これで本当のドストエフスキーの小説の方にチャレンジできます」って。

おお。それは素晴らしいですね。

――先生、ほかにも若い人にすすめたい本はありますか。

いえいえ。もうじいちゃんだから、だいぶ疲れました。もうおしまいにしましょ(笑)。

何かお役に立てたでしょうか。これくらいが、いま語れる精一杯かな。ぜひ、文学を楽しんでください、小説を楽しんでください。もちろん、マンガも楽しんでね、『ひねもすのたり』(笑)。

※このインタビューの様子は、YouTubeチャンネルの「BundanTV」でご覧いただけます。