もし妊婦が陽性になったら

新型コロナウイルス感染が陽性と出た妊婦をどこが受け入れることになるかは、かねてより周産期医療関係者の間で話題になっていた。それは、このように都道府県単位で決定される。

東京都では、まずは、おもだった病院の総力戦という形で長期戦の幕が開いた。地域によっては、小規模な施設でもその役割を担うかもしれない。

もし新型コロナウイルス陽性だとわかったら、感染症法に基づき、妊婦は、保健所の指示で受け入れ病院へ入院することになる。ウイルス陰性になるまで、好きな施設で妊婦健診を受けたり、出産したりすることはできない。

「最後の砦」として頼られてきた周産期施設は、重篤な妊婦、新生児も入院していることが心配だ。だが、はっきり陽性と分かった人は、院内を歩いたりしない。入り口から隔離病棟まで他の一般患者との接触はなしに移動し、一般妊婦と陽性の妊婦が接触することはない。ウイルスを部屋の外に出さない「陰圧室」を備えるなど、設備にも人にも恵まれていて、感染症対策の能力が高いのはどこかといえばこうした病院だ。

小規模施設では、陽性妊婦や、その赤ちゃんを引き受けることはもっと困難だろう。新型コロナウイルス感染症が重症化する心配もある。日本赤十字社医療センター第二産婦人科部長の笠井靖代さんは言う。

「私たちの病院には、呼吸器科や全身管理をお願いできる救急科などのいろいろな専門家がいます。また感染予防の最先端を行く感染症専門医を中心とした感染対策室(Infection Control Team 略称:lCT)があり、困ったらすぐに相談ができます。ふつうの産科施設ではそのような体制はとれません」

2020年2月、武漢の産科病棟で。新型コロナ渦でも世界中で元気な赤ちゃんが生まれている Photo by Getty Images