コロナ禍に乗じて挑発を繰り返す、中国・北朝鮮が招く「最悪の事態」

米国はいまや「手負いの獅子」か
鈴木 衛士 プロフィール

その後、中国国内で感染が収束に向かい始めた3月中旬(17日~18日)、ミサイル駆逐艦「ルーヤンⅢ」を始めとする戦闘艦艇3隻と補給艦1隻が台湾海峡を南下して西太平洋へ進出し、沖縄・宮古島間の海峡を北上して東シナ海方面へ向かった。これに合わせるように、中国海軍(又は空軍)の爆撃機とこの援護戦闘機なども台湾海峡を飛行した。

これはちょうど、米国で感染者が急増し始めた時期であり、18日の記者会見でトランプ大統領が、「これは戦争だ」「私は戦時下の大統領だとみなしている」と述べたときでもあった。

 

4月3日には、中国海警局の艦船が西沙(英語名パラセル)諸島付近でベトナム漁船に追突してこれを沈没させた。

4月6日には、「中国が南シナ海で調査基地と称する拠点に特殊軍用機を着陸させた」と米国務省が発表するとともに、同省のモーガン・オータガス報道官が中国に対し、「パンデミックと戦う国際社会を引き続き支援することに注力し、外国の混乱や弱みを利用して南シナ海での違法な領有権の主張をしないよう求める」との声明を発表した。

加えて、4月8日には、中国海警局の艦船4隻が尖閣諸島のわが国領海に侵入した。これらは、米国各地でオーバーシュートが発生し、ニューヨークなど主要都市を中心に余りの急激な感染者の増加ぶりに手が付けられないような状態となっていた時期である。

そして4月10日、中国海軍のクズネツォフ級空母「遼寧」、ミサイル駆逐艦「ルーヤンⅢ」2隻、フリゲート艦「ジャンカイⅡ」2隻、並びに、フユ級高速戦闘支援艦1隻からなる6隻の空母艦艇群(グループ)が、黄海から南下し、沖縄・宮古島間を通峡して西太平洋へ進出した。

この際、海上自衛隊が撮影した写真から、空母の甲板に戦闘機(J-15)3機及びヘリ(対潜又は救難用)3機の搭載が確認された。

空母「遼寧」の甲板上に並ぶ戦闘機

空母「遼寧」の艦艇群が西太平洋へ進出したのは、2016年12月以来、昨年6月に引き続き4回目である。今回も昨年と同様に、艦艇群は全て空母「遼寧」が配備されている北海艦隊所属艦で構成されていた。

空母「遼寧」艦艇群のこれまでの活動などについては、昨年7月12日の拙稿「中国の空母『遼寧』が日本近海通過、その事実が暗示する恐ろしい未来」に記したのでそちらをご覧いただきたい。

なお、これらの空母艦艇群が、西太平洋へ進出した4月10日付の中国共産党機関紙・人民日報系環球時報は、「ウイルス感染によって米海軍の全世界への展開能力はすでに深刻な打撃を受け、東シナ海、台湾海峡、南シナ海で米軍は対処困難になっている」という軍事専門家の分析を伝えていた。

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