米海軍空母におけるコロナウィルス感染拡大公表直後に、太平法海域へ進出した中国海軍の空母「遼寧」

コロナ禍に乗じて挑発を繰り返す、中国・北朝鮮が招く「最悪の事態」

米国はいまや「手負いの獅子」か

新型コロナの爆発的流行は第二次大戦以来の危機と言われているが、ある意味、それ以上の危機と言えるかもしれない。この状況下では、各国の軍隊は、戦争をすることもままならないからだ。世界一の軍事大国・アメリカでは、海軍の艦船で感染者が急増し、初めて死亡者が出たことが公表された。

ところが、この状況につけこむように、挑発行為を繰り返している国がある。ウィルスの発生源である中国と、感染者ゼロの奇跡の国・北朝鮮だ。我々がコロナ渦に目を奪われている間に、アジアの海では異様な緊張感が高まっているという。

 

米軍が頭を悩ます「空母での感染者急増」

新型コロナウイルスのオーバーシュート(爆発的患者急増)により、4月20日現在で74万人以上の感染者と4万人以上の死者を出した米国は、政治や経済のみならず軍事面においてもその影響が表れてきている。

米海軍は4月13日、原子力空母「セオドア・ルーズベルト(CVN-71)」の乗組員1人が新型コロナウイルスにより死亡したと発表した。

コロナウィルスの感染が広がる米海軍の原子力空母「セオドア・ルーズベルト」

同空母では、3月にベトナムに寄港して以降、乗組員の間で新型コロナウイルスの感染が拡大し、これに関わる米軍上層部の対応に危機感を抱いた艦長(ブレット・クロージャー海軍大佐)が、この情報を外部に漏らしたとして、4月2日に解任されたことが話題となっていた。

空母「セオドア・ルーズベルト」のブレット・クロージャー元艦長

米海軍によると、13日までにこの空母乗組員の内585人の感染者が確認されているとのことである。

この他にも、原子力空母「ニミッツ(CVN-68)」、同「カールビンソン(CVN-70)」、並びに、米海軍横須賀基地に配備されている「ロナルド・レーガン(CVN-76)」などの乗組員からも感染者が確認されており、米海軍にとって憂慮される事態となっている。

なお、今回の乗組員の死亡が、米空母で初の新型コロナウイルスによる死亡事例となった。

米海軍で現在就役している原子力空母は、最終的な運用試験中である「ジェラルド・フォード(CVN-78)」を含めると計11隻であるが、このうち約半数(ロナルド・レーガンを含む)は整備中などのため、直ちに作戦行動に対応できる空母は3~4隻程度である。

したがって、この内1隻でもこのような形で不稼働状態となれば、各地域に展開している空母の切り回しが大変厳しくなる。特に、東アジアにおいては、中国や北朝鮮などの動向次第では、中東方面などに割り当てた空母の再配置も検討しなければならないだろう。