もともとマスク装着率の高い日本でも、その様態は変わってきている。
一般的な不織布マスクが品薄となったこともあり、「ピッタマスク(PITTA MASK)」というポリウレタン素材のマスクが売れている。カラーバリエーションが豊富なので、特に若い人に人気があるようだ。不織布マスク同様、ウイルスを防ぐことはできないが、花粉は防ぐことができる。
布製の黒いマスクをつける人も若者を中心に増えている。「黒マスク」は、韓国や日本のアイドルがつけるようになり、徐々に広がった。
「白マスク」を見慣れている人にとっては「不潔」「怖い」というイメージがあるようだが、実は日本で最初にマスクが作られた明治時代、マスクと言えば「黒マスク」だった。
当時のマスクは、炭鉱や工場などで「防塵」を目的に使われていたため、汚れが目立たない「黒マスク」が都合がよかったとされている。
しかし、すでに明治初期に感染症予防の目的でマスクの普及に努めた人物がいた。陸軍軍医総監だった松本順(改名前は松本良順)である。