コロナショックで近づく「不動産バブル崩壊」の不気味な足音

市場は完全にフリーズした
榊 淳司 プロフィール

局地バブルの崩壊を早める

私はかねがね黒田東彦日銀総裁が行っている異次元金融緩和は、彼の意図するインフレ(ものの全般の価格=物価が上がること)ではなく不動産の「局地バブル」を招いていると指摘してきた。東京都心、城南、湾岸、川崎市の武蔵小杉などにおける異様なマンション価格の高騰である。

〔PHOTO〕iStock
 

その崩壊は2020年の五輪終了後に本格化すると予測していたが、どうやら今から始まりそうである。

今後、資金に行き詰まった中小の不動産業者の倒産は激増しそうである。

さらには背伸びをして高額マンションを購入した個人が、所得減少や失業などで返済ができなくなるケースも多くなりそうだ。

そういう物件は任意売却や競売といったカタチで中古市場に出てくる。供給量の増大は価格への下落圧力となる。

現時点では、まだ目に見えた価格の下落は起こっていない。むしろ、2月まで好調だった仲介取引の決済などが行われているので、業界には深刻さは広がっていない。

ただ、4月に入ってすべてのカテゴリーで急速に取引が減少した。というか、取引自体が成立しにくい状態だ。

不動産業界全体が深刻な不況に気付くのは、来月以降ではなかろうか。