コロナショックで近づく「不動産バブル崩壊」の不気味な足音

市場は完全にフリーズした
榊 淳司 プロフィール

今後、一般消費者も失業や減収に見舞われるはずだ。中には自宅の賃料を払えなくなるケースも出てくるだろう。

賃貸物件の経営側としては、賃料の減額要求や滞納に悩むことになりそうだ。そういった環境は自然に物件価格の下落につながる。

投資用物件市場では、すでに2019年の段階からハッキリと価格下落現象が認められた。

個人規模ではなく、企業規模での賃貸運営の情況を反映しているとみられる東証リート指数は、3月に入って劇的に下落した。その後やや回復はしたが、依然として低迷状態。この先、上向くとも考えにくい。

 

好調だったホテルや物流施設需要も…

ホテルに関しては、ここ1年ほど各都市で飽和状態となっていた。インバウンド需要の増大を見込んで、作り過ぎた結果である。

これから開業が予定されているホテルも多い。ホテル用地の仕込みはここ1年ほど止まっているが、今後は営業不振で売り出される物件も増えるだろう。

Eコマースなどの爆発的な拡大にともなって、需要が旺盛だった物流施設用地はどうか。

今後もネット通販は拡大していくので、その需要は旺盛だと思われる。しかし、日本経済自体がかつてない不況に襲われるのである。個人所得の減少が確実視される中での物販には大きな伸びが期待できない。

中長期的に物流施設の用地需要は膨らむだろうが、不況の出口が見えるまでいったん止まるのではないか。