# 風俗

新型コロナで大打撃、それでもわたしが「レズ風俗」を続ける理由

風俗という“ライフライン”
橘 みつ プロフィール

公的支援は救いになるか?

水商売以外にも、手軽に付けるアルバイトさえ激減している。わたしも風俗業以外にもアルバイトを掛け持ちしていたが、それも休業になってしまった。もはや自助努力ではどうにもならず、本質的なセーフティネットであるはずの公的支援に頼らざるをえなくなる。

今回の新型コロナウイルス感染症の流行に際して、収入の減少が認められ、緊急かつ一時的な生活維持のためにお金を必要としている人たちのために、緊急小口資金貸付という制度が設けられたことは、広く知られているだろう。同制度の申請には職種を問われないため、水商売経営者またはキャストももちろん利用可能だ。しかし、申請の過程にはいくつもの壁がある。

今回の感染症に関連する各種貸付・給付金の申請には減収証明が必要になるが、その基準は前年同月との比較で判断される。

風俗に限らず、水商売は年末年始の過ぎた1月から閑散期で、新年度になる4月までは一年の中でもっとも儲からない時期に当たる。お客さんの多くは年末年始の休暇にお金を使ってしまい、新年度は何かと物入りだからその間は娯楽に対して財布の紐を締める傾向がある。すなわち、もともと儲からない時期なので、前年と今年を比較しても減収したと証明できないケースも出てくる可能性があるのだ。

また、わたしのように事業を始めたばかりの人などは、順調なら前年よりも成長しているはず。コロナ騒動が本格化する前の1〜2月までの比較だと、前年より収入が増えていると判断されるケースだってあるだろう。

さらには、何らかの事情があって申請が受理されなかった場合、不服を申し立てる先が曖昧なことも問題として挙げられる。申請側の抗弁をきちんと聞いてくれる先があるかも不明だ。

 

公的支援の窓口にありがちなことだが、担当者によって対応に差があり、本来救済されるべきだった人があえなく追い返されてしまうことも少なくない。夜の仕事についている人たちは、こうした公的な支援を受けることにさまざまな理由(例えば、精神的な疾患や発達障害、自己責任論由来の罪悪感など)から積極的ではなく、困難さを感じる傾向がある。めげずに自分の権利を主張することを、諦めてしまうことだってあるだろう。

経済打撃へのさらなる対策として、中小企業やフリーランス含む個人事業者を対象にした「持続化給付金」も4月14日に発表された。先述の緊急時小口資金貸付よりも当てはまる人の幅が広いようだが、こちらは昨年度分の確定申告が前提のようだ。対象者を広げたところで申請制のハードルそれ自体は依然として残っており、それは救われる人・そうでない人の線引きがされていることと同義でもある。

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