新型コロナウイルスの感染拡大により、結婚式を中止した人たちが式場からキャンセル料を請求される事態が起きている。そんななか、先日、全国各地の結婚式場が共同で、4月から5月にかけて実施予定の式について、日程の変更やキャンセル料の負担に関して柔軟に対応する方針を発表した。

ブライダル関連事業を行う株式会社リクシィのnoteより

このニュースに安堵した人もいるだろうが、これはあくまで一部の式場の話。また、感染の広がりが深刻化しはじめた2月下旬から3月のあいだで中止したケースはどう判断すべきなのか、気になるところである。「コロナ禍のキャンセル料の扱い」について、弁護士の野島梨恵さんに聞いた。

※以下、野島さんによる寄稿。

そもそも「予約」とはなにか

新型コロナウィルス感染症対策を理由とした、飲食、宿泊、イベントなどのキャンセルが相次いでいる。宿泊や結婚式場の場合、通常ならば数日前、あるいは数ヶ月前からキャンセル料が発生し、受注側が発注側に支払いを求める。しかし、新型コロナはある種の「災禍」であり、顧客がキャンセル料を支払う必要はないのではないかという声もある。果たして、「コロナキャンセル」によるキャンセル料の支払いは回避できるものなのか。

この問題を考えるにあたって前提となるのは、そもそも「予約」とは何か、である。
一般的な感覚として、「結婚式場の予約」をしたら、ある時期以降、顧客がキャンセルすれば、キャンセル料が発生するだろう。しかし、たとえば「美容院の予約」や、「歯医者の予約」、あるいは「席だけの居酒屋の予約」なら、直前キャンセルでも、キャンセル料が発生するケースはほとんどないだろう。

しかし、居酒屋ではなく、たとえば「板前のお任せ」しかメニューがないような、限定1日2組までの高級寿司屋だったら、キャンセル料を取ると言われても仕方がないような気もする。この感覚の違いは何なのか。