『傾城三国志』(国立国会図書館蔵)

「三国志」が教える、新型コロナウィルスに負けず才能を伸ばす術

病に負けた曹操と勝った孔明の違いとは
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、緊急事態宣言が全国に出されています。長引く外出自粛生活にストレスを感じている人も多いと思いますが、この難局を乗り切るにはどうすればよいのでしょう? 『愛と欲望の三国志』(講談社現代新書)を著したニッポン放送アナウンサー・箱崎みどりさんが、難局に対応するための知恵を「三国志」から紹介します

今、私たちはウイルスという目に見えない敵との戦いの真っただ中にいますが、三国時代の人々は、戦争や飢饉など、常に困難に直面していました。

 

私は、小さい頃から、何度も何度も三国志を読んでいますが、古代中国での興亡の歴史を描く三国志には、急な環境の変化や、緊急事態に対応するための知恵も詰まっていることをひしひしと感じてきました。

三国志の英雄たちは、困難を突破するために精いっぱい知恵を絞り、打ち勝ってきたのです。

私たちも、新型コロナウィルスがもたらす難局に負けないために、その知恵を学んでみましょう。

外出自粛が強く求められている(photo by gettyimages)

赤壁の戦いは、流行病との戦い

まずは、三国志の物語に登場する、病との戦いについてご紹介します。

たとえば、映画『レッドクリフ』の題材にもなった赤壁の戦いで、曹操軍は、孫権と劉備の連合軍に敗れますが、その敗因として、慣れない土地に来たために、兵士の間で病気が流行ったことが大きいと言われています。

北方からやってきた曹操軍にとって、南方、長江流域での本格的な水戦は初めての経験。気候も食事も水も、がらっと変わり、さらに毎日が絶え間なく揺れる船の上で、心身に大きな負担を強いたのでしょう。多くの兵士が、船酔い、さらには、吐き気を催す病(長江流域の風土病とされています)に苛まれました。

物語『三国志演義』では、病と船酔いに悩む曹操が、敵方のスパイであった龐統(ほうとう)の献策を容れ、船を鎖でつなぎ安定させて、病と船酔いを治めます。

しかし、実はそれは、火攻めへの布石。風下の曹操軍に向かって東南の風が吹いた日に、連合軍から火をかけられた曹操の大船団は、鎖でつながれていたため、逃げることもできずに燃えていった……、と脚色されているのです。

(これが赤壁の戦いにおける連環の計です。美女・貂蝉で董卓と呂布を結び仲違いさせる連環の計のほかに、物理的に船を繋いだこの計略も、連環の計と呼ばれています)

広大な中国大陸を統一しようと夢見た曹操は、ある意味、中国の大きさによって、夢破れたと言えるかもしれません。