コロナ禍のウラで外国人労働者を「見殺し」にする日本社会の闇

「使い捨て」のままでいいのか

私たちの日常はすっかり変わってしまった。ダイヤモンド・プリンセス号の件で騒いでいた頃が遠い昔のようだ。新型コロナウイルス関連のニュースは更新され続け、事態の収束がいつになるのかもわからない。

筆者のようなフリーランスは、予定されていた仕事の延期や中止が相次ぎ、このままいくと5月には収入がほとんどゼロになる見込みだ。可能な限りもがいてみるつもりだが、果たしてこの危機を乗り切れるかどうか、見当がつかない。

街は死んだようになって、経済は世界規模で縮小を続けている。当然、各分野で雇用への悪影響も出ており、雇い止めや解雇で失職する人も出はじめた。

より立場の弱い外国人労働者の場合はどうだろうかーー。

東京出入国在留管理局

帰国したくてもできない

現在、全国に約40万人いる外国人技能実習生の場合は、渡航制限や受け入れ側の業務縮小によって影響が出はじめている。

農業分野においては、中国やベトナムなどから来日する予定だった技能実習生の約1700人が日本に来る見込みが立たなくなっているという報道もあった。

こうした現場での労働者不足を受けて、法務省では、4月17日の時点で、これまでは認められていなかった技能実習生の異業種への転職を可能とする特措法を儲けると発表した。しかし、今後、経営規模の縮小や企業の倒産が相次げば、失職する外国人も増えていくだろう。

だが、いま、また別の理由で、帰国しようにもできず、働こうにも働けず、窮地に陥っている外国人たちがいる。

外国人の労働問題に詳しい神戸大学の斉藤善久准教授が指摘する。

「『留学』という在留資格を維持できなくなって日本語学校を退学したものの、帰国できず、『短期滞在』に切り替わってしまったことでアルバイトもできないという男の子に先日会いました」

どういうことかと言えば、コロナ騒ぎの影響でアルバイト先のシフトが大幅に減り、学費を払えなくなって「留学ビザ」を失効してしまった元留学生がいるということだった。

帰国しようにも現在、航空各社の国際便は軒並み欠航している。唯一、5月の連休明けに飛ぶ予定のJALのホームページを見てみると、ハノイへのエコノミー片道でも28万円(燃油サーチャージ別)という価格設定になっている。とてもじゃないが、そんな高価なチケットは買えない。

gettyimages

出入国在留管理庁は、コロナウイルスの感染拡大に伴い、技能実習生や就職活動中の留学生などに対しては在留期間を延長するなどの処置をしているが、飲食店やコンビニのアルバイトとして見かけることが多い日本語学校の留学生についてはケアをしていない。

「日本語学校の卒業者も退学者も、ほとんどの場合、帰国という選択肢しかありません。しかし、現実的には乗れる飛行機もなく、帰れない。それなのに就労不可の『短期滞在』ビザしかもらえず、で困っています」

さらに、事態は悪い方向へ向かっていると斉藤准教授は言う。

 

「日本語学校を退学するタイミングでアパートを解約するとなると、住むところもなくなる。仕方なく友だちのアパートに転がり込むと……」

いわゆる3密状態となり、アパートの部屋がクラスター化する可能性もあるだろう。

また、ほかにも帰国できずに困っているベトナム人があるお寺で保護されていると聞いた。