新しい問題を発見するにはどうすればよいのか。若手経営者に大きな影響力を持つコンサルタント・細谷功氏の連載『問題発見力を鍛える』第8回は、「常識」とは何なのかを考えます!
常識とは「説明できないが正しい」と思っていること
皆さんの周りにも様々な常識があると思います。人として生きていく上での常識に加えて、ビジネスをやっていく上での業界固有の常識等もあります。
- 2月と8月は物が売れない
- アメリカで流行ったことが1年遅れて日本に入ってくる
- 品質に問題があるときは●●の工程をチェックせよ
といったようなことです。
新入社員や業界への転職者がまずはじめに学習するのがこのような「常識」です。
常識というのは、社会人として、あるいは特定の会社人として生きていくための基本的知識といってよいでしょう。したがってこのような基本的知識を身に付けることについて否定的なイメージを持つ人は少ないと思います。
ところがここに落とし穴があります。以前に連載の中でも問題発見と問題解決ではある意味で正反対の思考回路が必要となり、そのために敢えて問題発見の考え方を意識する必要があることをお話しました。
「常識を疑う」ことが重要であること、あるいはそれは否定的に思えることを肯定してみることも「話を聞きながらスマホをいじる人」の例でお話しました。

ここで改めて「常識とはどういうものなのか?」を考えてみることは問題発見の手がかりとして役に立つと思います。私たちが「それは常識だ」といった形でこの言葉を使うのはどういう場面かを考えてみましょう。