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ポストコロナ時代のアメリカに求められる大統領は誰なのか

教育政策から徹底考察

現在アメリカを新型コロナウイルスが席巻しているが、この秋には新しい大統領が決まる。コロナの惨状と教育政策から判断した場合、誰が大統領にふさわしいのだろうか?

コロナにまつわる「3つの状況」

教育政策の吟味に入る前に、新型コロナに関して3つの象徴的な現象について言及したい。

1点目は新型コロナが猛威を振るっている地域である。

人口当たりの死亡者数が多いワースト3は、ニューヨーク近辺、ミシガン州、ルイジアナ州で(*1)、それぞれの地域の大都市であるニューヨークシティ、デトロイト、ニューオリンズで特に惨状が広がっている。

米国の教育政策に詳しい人ならピンとくるかもしれないが、これらの大都市は全米でも最悪の学区を抱えていることで有名である。つまり、公共サービスが十分に機能していない場所で特にコロナの被害が酷くなっている。

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2点目は人種である。

例えば筆者が住むミシガン州は黒人が人口の12%を占めている。しかし、コロナの死者の4割以上は黒人である(*2)。同様の傾向はニューヨークでも見られ、所得や職業などを統制してもなお黒人の感染割合は高い(*3)。

3点目は、コロナと教育である。

コロナの拡大で大半の学校は既に閉まって、オンライン授業へと移行している。これだけ聞くと、さすが米国と思うかもしれないが、やはりこれには裏がある。

富裕な地域にある学校では、ほぼ100%の児童・生徒がオンラインの授業を受けているが、貧困地域や農村部では、そもそもネットやPCにアクセスできない人が少なからずいるだけでなく、オンライン授業ができていても半数以上は出席していないという状況である(*4)。

つまり、コロナは公共サービスが崩壊している場所で貧困層を容赦なく襲い、かつ貧困層はコロナが教育に与えた影響を回避できない、という特徴が現時点では存在している。

これを考えると、ポストコロナの教育政策では、不利な背景を持つ子どもたちにいかに良質な教育を届けられるかがカギとなる。

なぜならば、人的資本論通りに事が進めば、その子どもたちが将来より良い職に就き、より多くの税金を納めて、地域の公共サービスが向上することで、次に来る感染症では今回のような大惨事を緩和できるからだ。

 

では、誰が最も不利な背景を持つ子どもたちに教育支援の手を差し伸べられる大統領候補なのだろうか?(本稿執筆中にバーニー・サンダース候補が撤退を表明したが、その教育政策は興味深いものであったので、あえて割愛せずに紹介したい)