外出自粛で深刻化するDV被害…コロナがもたらす「家族崩壊」

加害者家族支援の現場から
阿部 恭子 プロフィール

挙句の果てに、「犯罪者の娘は子育てができない」などと差別的なことまで言われてしまい、実家を出ていくこと決意した。

「経済的には本当に助かったのですが……。安易に頼ってしまったことは後悔しています」

裕子さんは、これまでのような家族には二度と戻れないと話す。

家族による援助は長続きしない

東日本大震災でも同様の事態が起きていた。

津波で家を失った親族を快く自宅に迎え入れた人々もいたが、時間が経つにつれて、嵩む生活費と窮屈な生活に耐えられなくなった末、家族の離散や絶縁にまで至るケースもあった。

有事こそ、家族の絆が発揮されると考える人も少なくないかもしれないが、現実として「情」による支援は長続きしない。

親族間の結び付きが強固で、問題はすべて親族間で共有している家族も存在する。親族に協力しなければ、軽蔑され排除されるのである。

親の逮捕により養育者を失い、親戚に預けられた子どもが、親戚から虐待や差別を受けていたという報告は多い。

実際、親戚から「本当は預かりたくないけれど、断れば世間体が悪いから……」と言われた子どもたちもいる。

 

家庭で人を受け入れるということは、経済的にも精神的にも覚悟がいることである。血が繋がっているという理由だけで、家族が機能するわけではない。

受け入れ環境が整っており、心から子どもが欲しいと考えている他人の下で養育される方が問題を生ずるリスクは低いであろう。