孫正義、柳井正、永守重信…コロナ大不況の中、直面する「後継者問題」

やはり、創業者は死ぬまでトップなのか
長田 貴仁 プロフィール

トヨタ、ユニ・チャームの場合

このスタンスで成功している典型例がトヨタ自動車である。同社は現在、創業者・豊田喜一郎氏の孫に当たる豊田章夫氏が社長を務めているが、それまでは、サラリーマン社長が3代続いた。

野球で言えば、勝ち点をものにする抑えの投手(創業家出身者)までつなぐため、タイプが異なるリリーフ投手(サラリーマン社長)を次々と登板させる継投策である。つまり、創業家出身者が育つまで、目をかけた生え抜き社員に社長を任せ頑張らせてみようという作戦である。

筆者は、このコーポレートガバナンスをトヨタの車にあやかって「ハイブリッド型コーポレートガバナンス」と命名している。この統治スタイルも、企業価値を高めることを重視しているが、同時に「家」の存在感と影響力を弱めたくないという創業家の願望を満たす上で奏功している。

豊田章男氏(Photo by gettyimages)
 

ではなぜ、多くの創業者は身内に継がせたがるのか。その理由が単に「自分の子供だから」、「娘婿だから」では、公器である企業のコーポレートガバナンスを説明できない時代になってきた。ましてや、上場している大企業ともなれば、株主だけでなく、顧客を含む世間、従業員、マスコミなどの辛辣な目が光っている。

それでも子供に継がせたいと思うのが、ファミリービジネス経営者の親心というものだ。親心も大きく2つのタイプに分かれる。「甘やかし型」と「英才教育型」である。

前者は、批判の対象となる「バカ殿」を生む。後者を育てた親には、後継者として手塩にかけて育てたという自信と、その思いを受け継いでくれるだろうという期待がある。

ユニ・チャームの創業者・高原慶一郎氏に後継者について質問したとき、「長男の豪久(たかひさ)に継がせます」と躊躇することなく答えた。その理由について「子供の頃から寝食を共にし、いつもユニ・チャームの現状と未来について話し合ってきたからだ」と自身満々に語った。

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