Photo by gettyimages

孫正義、柳井正、永守重信…コロナ大不況の中、直面する「後継者問題」

やはり、創業者は死ぬまでトップなのか

孫正義「60代で引き継ぐ」宣言のゆくえ

「後継者選びは、社長にとって最も重要な仕事です」

こう強調する経営者は多い。ましてや、裸一貫から日本を代表するビッグビジネスを育て上げた創業者ともなれば、なかなか腹が決まらないものだ。

ソフトバンクグループ(SBG)会長兼社長兼CEOの孫正義氏(62歳)もその一人である。筆者が同年代の孫氏と初めて会ったのは日本ソフトバンク(SBGの前身)を創業してから5年目に当たる1986年。孫氏は29歳だった。

当然ながら髪はふさふさとしていた。だが体調は万全ではなかった。実は、創業2年目にして慢性肝炎を患い、医師から「余命5年」と宣告されたが、3年半入退院を繰り返して社長に復帰したのだった。

一度、死に際を見てきた人は、後の人生を燃やし尽くさなくてはと考えるようになる。第二次世界大戦に一兵卒として召集されたダイエー創業者の中内功氏は、終戦前夜のフィリピンで飢餓に耐え忍びながら生死の淵を彷徨った。京セラ創業者の稲盛氏も、12歳で当時、死の病と言われていた結核(初期症状の肺浸潤)にかかり、病床で死ぬのではないかと常に考えていたという。二人ともこの時の臨死体験が「経営哲学の原点」になっている。

Photo by gettyimages
 

孫氏は創業当初から、「20代で名乗りを上げ、30代で軍資金を最低で一千億円貯め、40代でひと勝負し、50代で事業を完成させ、60代で事業を後継者に引き継ぐ」と公言していた。