傑作ドラマ『岸辺のアルバム』を手掛けた、堀川とんこう氏の死を悼む

グッドバイ・ママ、あこがれ共同隊も…
高堀 冬彦 プロフィール

昭和期ドラマの最高傑作

連続ドラマ『岸辺のアルバム』(金曜10時)の放送は1977年。昭和期ドラマの最高傑作と評されている。主題歌はやはりジャニス・イアンで、『ウィル・ユー・ダンス』。脚本は山田太一氏(85)が書いた。

専業主婦の妻(故・八千草薫さん)と若い男(故・竹脇無我さん)の不倫が描かれた。だが、テーマは不倫ではなく、あくまで家族の崩壊。これも社会派作品。東京・多摩川沿いの一戸建てで暮らす4人がバラバラになっていく様子が活写された。

『岸辺のアルバム』より

商社で部長をしている夫(故・杉浦直樹さん)は家庭を顧みない。大学生の長女(中田喜子、66)は奔放に過ごすうち、卑劣な留学生にレイプされてしまう。その後、生活が荒む。受験生の長男(国広富之、66)は勉強に身が入らない上、母の不倫現場を見てしまった。

 

最終回では台風による水害が起こり、自宅が流される。家族の崩壊によって自宅も役割を終えたかのように。だが、皮肉なことに危機に直面したことで家族は結束を取り戻す。

そして、ある物を自宅から命懸けで持ち出す。家族の思い出が詰まったアルバムだ。過去は守られた。しかし、将来は分からない。そこで物語は終わった。