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コロナ危機のEUに「救世主ヅラ」で忍び寄る中国・習近平の狙い

共存共栄など絶対にあり得ない

胡散臭い「救世主」

現在、よりによって新型コロナウイルス発祥国の国家主席である習近平氏が、寛大で理想的な「救世主」という役を世界のあちこちで演じている。まさか皆、その胡散臭さに気づいていないはずはなかろうが、気づかないふりをしている政治家はたくさんいる。

イタリアのディマイオ外相は自身のフェイスブックのビデオで、空港に到着した中国からの医療物資に感動している自分の姿を流したし、セルビアのヴチッチ大統領は、「我々を助けてくれるのは中国だけ」と公言した。

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中国が世界中に送っているのは、マスクなどの防疫グッズ、人工呼吸器、さらに医師や看護師など衛生スタッフ。これらがEU諸国はもちろん、イラクからペルー、アメリカ、そして日本にまで届けられている。ここのところ『人民日報』は、それらの国々が、どれほど中国に感謝しているかという記事で、毎日、てんこ盛りだという。

現在、日本でも品薄のマスクだが、今年1月、まだ日本人がぼんやりしていたころ、中国人旅行者が大量に買い込み、中国へ運んでいたと言われる。そういえば、1月はドイツでも、薬局でマスクが大量に買われ、品切れになっているというニュースが盛んに流れた。

ドイツ人はマスクをする習慣がないし、そもそも街でマスク姿の人など一人も見なかった。しかも、当時は、ドイツでコロナウイルスが流行るという話もまだなかったので、誰が買い占めているのかと怪訝に思ったものだが、これも中国人のなせる業だったかもしれないと、今になって思う。ドイツにも中国人は非常に多い。

 

前述のセルビア政府はEUに対してかなり頭にきているらしく、大統領いわく、「ヨーロッパに連帯などないことがはっきりとわかった」。その一方で、中国に救援を求めた書簡の中では、習近平氏に「友人で兄弟」と呼びかけ、その後も、中国からの救援物資を両国の友好の証として大仰に演出した。

ちなみにセルビアとEUの間では、2012年からEU加盟交渉が進んでいるが、まだ加盟の予定は立っていない。

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