2020.04.18
# ニュージーランド

ニュージーランドのコロナ対策が「世界中から絶賛されている」ワケ

政府を信頼する市民はなんと「88%」
クローディアー 真理 プロフィール

またアーダーン首相は、「Be kind. We’re all in this together(他者に親切に接しよう。私たちは皆同じ状況下に置かれているのだから)」や、「Let’s all do our bit to unite against COVID-19(各々ができることをやり、結束して新型コロナウイルスに対抗しよう)」といった言葉をよく口にしている。こうしたメッセージを通して、国民1人1人の協力なしには新型コロナウイルス感染症に打ち勝つことはできないことを伝え、国民をエンパワーする。

 

「根絶」という難しい目標

ニュージーランドが目指すのは、あくまでウイルスの根絶だ。これはおそらく困難を極める取り組みで、対策も厳格でなくてはならない。これからどう対応していくかを国民にきちんと理解してもらうために、わかりやすい説明を心がける意味は大きい。

レベル4で行うべきこととして挙げられている事項のほぼどれもが、根絶を成功させるための鍵となっている。自己隔離を含め、他者との距離を置くこと、学校などの教育機関の休校、職場の閉鎖、人の移動に対する制限、公共の場での接触の制限が挙げられる。手洗いや咳エチケットなどの衛生管理はいうまでもない。

4月15日に行われた検査数は2100件だった。この日までの合計では6万6499件に上る(人口1000人当たりの検査数はざっくり計算して約13.4。日本は約1.10)。キャパシティーは7万1693件となっており、1人あたりのキャパシティーとしては、主要国に並ぶ数だという。

検査を受ける人は比較的少ないといわれている。陽性が確認されるのは、検査を受けた人の約1%だ。検査所はドライブスルータイプを含め、131カ所に設置されている。

迅速な「接触者追跡」も欠かせない。国内の主な感染者は、海外渡航と直接的・間接的に関連性があるか、すでに発生の確認がとれているクラスターに関わる人たちだ。

保健省のウェブサイトを見ると、全感染者・感染が疑われる人のリストが掲載されている。名前こそ出ないものの、各々の性別、年齢はもちろん、海外渡航者である場合は渡航先、ニュージーランドへの便に搭乗した日や搭乗地、便名に至るまでの情報が網羅されている。アーダーン首相は現段階だけでなく、将来においても接触者追跡を行う意義の大きさを認識しており、Bluetoothを使ったアプリ、「トレーストゥゲザー」を用いるシンガポール政府と連絡を取っている。

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