2020.04.18
# ニュージーランド

ニュージーランドのコロナ対策が「世界中から絶賛されている」ワケ

政府を信頼する市民はなんと「88%」
クローディアー 真理 プロフィール

これはひとえに人々が新型コロナウイルスに対する政策の全貌を把握し、それに納得しているからだ。この調査で「政府を信用している」とした人は83%、パンデミックに対し、政府がとった対応に賛成する人は84%だった。さらに、新型コロナウイルスへの対応に関し、政府が正しい判断を下すと信頼を寄せる人は88%に上った。これらはG7の平均を大幅に上回る。

国民が納得している大きな要因は、ジャシンダ・アーダーン首相のコミュニケーションのうまさにあるだろう。基本的に政策というのは、一般人にしてみれば難解なものだ。しかし、ジャシンダ・アーダーン首相が説明すると、すんなりと頭に入ってくる。

アーダーン首相〔PHOTO〕Gettyimages
 

首相が会見時に使い始め、国民にはすっかりおなじみになったのが、「バブル」という言葉だ。ニュージーランドでは、親子や3世代のように血のつながりがある家族だけが世帯を形成するとは限らない。多様化が進み、血縁者以外も交じって世帯が構成されていることもある。首相はその状態を簡単で、親しみのある言葉、「バブル」に置き換えて話す。同一世帯の人々が一つの泡に包まれて暮らしているイメージだ。

バブルの中の誰かが感染者とわかっても、ウイルスはそのバブルの中に留まり、ほかのバブルにはうつらない。またバブルの中にさえいれば、ほかのバブルで感染者が出ても、それがうつってくることはない。バブルは壊れやすいので、壊さないよう注意して、その中にいようというわけだ。

覚えやすい言葉を耳にし、自分も使うことによって、人々は自己隔離の徹底を知らず知らずのうちに肝に銘じている。

さらに彼女は理解をより深められるよう、例を多用したり、謝意といった自らの、そして国民の代表としての気持ちを会見に入れ込む。記者向けとはいえ、正確な情報を手に入れようと少なくとも国民の3分の1が会見を見ているからだ。

会見だけではない。独自に作成・導入された「警戒レベル」も、誰もが理解できるように簡単明瞭にまとめられている。4段階に分かれており、レベルごとの状況、また、行うべきことや、行ってはいけないことが箇条書きになっている。

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