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# 経営

ビジョンメガネが「瀕死の状態」から驚異のV字回復を遂げたワケ

社長の安東晃一氏に聞いた

全国に107店舗を展開するビジョンメガネ。関西を中心に高い知名度を誇ったが、レンズとフレームをセット販売する安価なチェーン店に押され、'13年に民事再生法の適用を申請。ところが、ここから現場叩き上げの社長が奮闘、見事にV字回復を果たした。その安東晃一社長(47歳)の話は、まるで浪花節のようだった。

価値を正しく伝える

弊社の業績が回復したのは、商品の価値を正しく伝えられるようになったからだと思っています。

お客様にどんなシーンで、何が見づらいのかを伺い、手元の細かい作業なら「近々両用」、パソコン程度の距離なら「中近両用」など、レンズ選びのコンサルティングをします。その上で、左右の瞳の間の距離等を丁寧に測って焦点が合う眼鏡を作ります。

驚いたのは、老眼のお客様が「眼鏡を替えて食事がおいしくなった」とおっしゃるのです。「お米の艶までよく見えてしっかり味を感じる」という意味でした。

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例えば食器も、安価なものと職人の手によるものの間には違いがあるはず。当社の場合、社内資格制度で「マエストロ」を育て、価値あるレンズの違いをお伝えするうち、自然と安いお店と棲み分けできるようになりました。

業界で初めて保険会社とコラボし、'19年に眼鏡の「3年間長期保証」を始めました。有償で、無料交換の上限もありますが、傷や破損だけでなく度数変更にも対応します。

最初は不安に思う社員もいました。度数が変わり、ちょうど買い換えとなる時期に無償交換になるからです。