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新型コロナで世界が苦悩する「監視・プライバシー」をめぐる難題

各国は何を考え、取り組んでいるのか

コロナ対策とプライバシーの問題

新型コロナ対策のために、日本でもパーソナルデータの利用や接触者追跡のシステムの導入に向けた動きは本格的に始まろうとしている。

4月1日の新型コロナ感染症対策専門家会議の見解で、「パーソナルデータの活用」「アプリ等を用いた健康管理」が言及され、6日には、内閣官房で「新型コロナウイルス感染症対策テックチーム」のキックオフ会議が開催され主要なIT事業者や移動通信会社、団体が参加している。

世界的な流れも、プライバシーへの介入をなるべく少なくした接触者追跡のためのアプリ導入に向けた動きが進む。

3月31日にはヨーロッパ各国の研究者が横断的に協力して開発した、EUのプライバシー保護規制に準拠した接触者追跡システムを発表。4月10日には、アップルとグーグルがスマートフォンを使った接触者追跡技術の共同開発を発表し、技術文書のドラフトをリリースした。

4月13日には、日本でも民間団体による接触者追跡アプリの開発を待って政府が実用実験を行うことが報道された

感染症対策は、個人情報やプライバシーの問題と、社会的な必要性との間で慎重にバランスをとることが求められる分野だ。感染者の行動追跡はその典型で、どこへどのような手段で行き、誰と会ったかなどは極めて私的な事柄だ。通常、第三者に開示することを強いられるものではないが、接触者の追跡のために情報収集が正当化される。

 

しかし、正当化されることと、それが適当か、あるいは機能するかは別問題だ。

どのような個人情報をなぜ収集するのか、収集された個人情報をどのように利用し、誰に提供され、あるいはどこまで誰に開示されるのかなど、プロセスの透明性が確保され、適切な管理と規制のもとに置かれていなければ、信頼性を欠くからだ。

また、「知りたい」「知っておきたい」ではなく、私的領域に介入してまで収集する必要性があることへの理解と、提供したことにより発生する不利益(接触者の隔離による社会生活上の制約など)に対する手当の両方が、本当に機能させるには不可欠だろう。