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コロナ直撃のユーロ圏、ここへきて「日本化」が一気に加速しそうなワケ

ECBの日銀化が一段と進む
唐鎌 大輔 プロフィール

周知の通り、ユーロ圏財務相会合は欧州安定メカニズム(ESM)の稼働に踏み切っており、ラガルドECB総裁が新型コロナウイルス対策で欧州がさらに団結する必要があるとの認識を披露したことも報じられた。

事態はユーロ圏崩壊を懸念するような事態では確かにないが、一体感を守る局面であることには変わりあるまい。

そもそも、疫病の拡大を理由としてヒトやモノの往来が差し止められている状況は欧州統合の理念が棄損されている事態ではないか。すでにESM稼働によって、(まだその利用申請はないものの)OMTの稼働条件が満たされているという状況でもある。今後、OMTを求める市場期待は断続的に浮上してくる可能性が否めない。

 

「ECB版YCC」が視野に入ってきた

上でも言及した通り、ECBは無リスク金利の曲線に影響を与えることで金融商品の価格形成を適切な方向に誘導しようという政策意図が見え隠れする。

3月中には世界的に安全資産を含めて金融資産全般を現金化しようという動きが加速し、ドイツや米国や日本などの国債利回りまでもが上昇した。そうした症状に対して大規模資産購入という処方箋は緊急かつ適切な政策であったと言えるし、実際に効果も出ている。

だが、冒頭述べたように、現在の資産購入の勢いは持続的ではなく、マイナス金利ももうかなりの深みに嵌まっている。「量」も「金利」も手を尽くした後に何が残るかを考える次の段階に差し掛かっていると言える。