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コロナ直撃のユーロ圏、ここへきて「日本化」が一気に加速しそうなワケ

ECBの日銀化が一段と進む
唐鎌 大輔 プロフィール

急浮上「OMT」とは…?

次にOMTだ。

短中期国債の無制限購入を可能にするのがOMTだ。OMTは2012年9月の導入以降、これまでに使われたことは1度もないため「抜かずの宝刀」と呼ばれて久しい。ドラギ元総裁の「ユーロを守るためならばなんでもやる」スピーチの結果として出てきた政策として有名である。

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3月18日の臨時会合では全く新しいプログラムで対応するのか、それとも既存のAPPやOMTのような既存プログラムの強化で乗り切るのかという議論があり、結果的には「大規模で普及しているが一時的な性質のショック」という認識の下、総額7500億ユーロに及ぶパンデック緊急購入プログラム(PEPP)の採用に至った模様である。

「一時的なのだから原理原則に目を瞑った時限的な枠組みで対応すべき」という方向性で意見集約されたことが議事要旨からも窺い知れる。

なお、OMTが採用に至らなかった理由としては「根本的に異なった緊急事態に対応するためのスキームだから」という見解が示されている。

 

これは具体的にOMTとは「ユーロ圏瓦解に関する無根拠な恐怖(unfounded fears)によって加盟国の国債市場に緊張感が走っている際、金融政策の一体感(singleness)を守るために設計されたもの」であるため、疫病の感染拡大を理由に割り当てるものではないという理由が示されている。

だが、これは今一つ腹落ちしない。