# 新型コロナウイルス

スウェーデン流「ゆるいコロナ対策」が医療崩壊の抑止力となったワケ

政府への信頼と手厚い補償がある
綿貫 朋子 プロフィール

経済支援策のきめ細かな中身

「50人を超えるイベント等の禁止」という規則によってコンサートやスポーツ試合など、さまざまな催事が中止・延期されるなか、その経済損失の軽減のために、文化・スポーツ界へも助成金計10億クローナ(約110億円)の支給を発表した。

さらに、新聞等のメディア助成金が年間2億クローナ(約22億円)増額される法案も出されている。

photo/gettyimages

もともとある助成金ではあるが、特に新聞媒体の助成を強化したのは、この危機下で情報伝達が一層重要になったほか、リスクグループである高齢者の情報源は多くが紙媒体であるためだ。

街でレストランやカフェや店舗が営業しているとはいえ、外食・ホテル・観光産業をはじめ各業界への打撃は膨大だ。政府は打撃軽減のための経済支援法案を続々と発表している。

 

たとえば次のような対策がある。

■経済支援策の例(抜粋) - 審議中を含む

1. 短期就業手当(企業が従業員を解雇せずに就業時間短縮で対応した場合、給与等の4分の3を国が負担。企業は事業を再開しやすく、従業員は所得の9割前後を保持できる):少なくとも195億クローナ=約2145億円

2. 社会保険料の一時的な大幅削減(事業主が払う年金以外の社会保険料を30人分まで一定期間免除):330億クローナ=約3630億円

3. 店舗や飲食店、ホテル等に向け賃貸料一部援助:50億クローナ=約550億円

4. 全国自治体への通常外支出補償(医療や介護を請け負う県市町村の負担増を補償):30億クローナ=約330億円

5. 全国自治体への一般交付金補強:200億クローナ=約2200億円

6. 「病欠給与差し引き」の一時補償と企業負担分の肩代わり(前述):合計約90億クローナ=合計約990億円

7. 文化・スポーツ界助成金(前述):計10億クローナ=約110億円

8. メディア助成金拡充(前述):2億クローナ=約22億円

9. 失業保険拡充(後述):約53億クローナ=約586億円

(SVTや政府発表の資料を元に作成。)

ちなみに、こうした政策が提案され始めたのは、3月11日。スウェーデンで感染者が増えはじめたのは2月末であるから、たった2週間後のことだ。