# 新型コロナウイルス

スウェーデン流「ゆるいコロナ対策」が医療崩壊の抑止力となったワケ

政府への信頼と手厚い補償がある
綿貫 朋子 プロフィール

「症状があったら家から出ない」が実行できる補償

「のどの痛み、鼻水、咳、熱など、軽度であっても症状があれば、とにかく家にとどまれ」という指示は、感染拡大抑止策の主軸のひとつで、当局や政府が繰り返し訴えている。法的拘束力はない。

だが、政府は、市民がこれを実行しやすいよう、早いうちから方策をとってきた。

病気欠勤補償の大幅な拡充だ。

 

同国では通常、病気で欠勤した場合、所得の約8割が雇用主(最初の2週間)あるいは国/保険庁(それ以降)から支払われるが、支給が始まる前に「病欠給与差し引き」と呼ばれる支給のない日数が設定されている。一般的に、被雇用者は1日、個人事業主は1〜14日で設定されているこの期間中は、実質無給となるため、多少無理してでも仕事に行く、という人も少なくない。

政府はまず、この「病欠給与差し引き」を一時的に廃止。5月末まで、被雇用者は1日分700クローナ(約7700円)、個人事業主は1日あたり804クローナ(約9000円)を国/保険庁に請求できるようになった。

また、雇用主の負担を減らすため、通常は雇用主が支払う「病気欠勤中の給与」を、国が2ヶ月間肩代わりをする決定もされた。

さらに、一定期間は医師証明書の提出を不要とするなど、事務の簡略化もされた。

ただ、この政策では時給で働く人の一部が漏れているという指摘もある。感染が拡大している高齢者施設などでは時給で仕事をする人が多いといわれ、問題視されている。