コロナ危機、日本経済は「倒産爆発」の重大局面に突入した

補償なき休業要請が最悪の結果を招く…
近藤 駿介 プロフィール

「休業補償」2つの選択肢

十分な資金がないという現実の中で「休業補償」を行うための選択肢は2つしかない。それは、「資金効率を上げる」ことと「資金を調達する」ことである。

「資金効率を上げる」というのは、少ない財政資金で出来るだけ大きな経済効果を上げることである。これは、事業規模を膨らませて真水といわれる実際の財政支出の小ささを見え難くする手法とは異なるものだ。

「休業補償」を考えるうえで注目するべきは企業の利益率である。日本企業の売上高営業利益率を大雑把に10%程度だとすると企業は10の利益を稼ぐために90の経費を掛けているということだ。つまり、この90の経費を減らしてやることは売上を補填するのと同じ効果を生むということだ。

その手段の一つが「家賃と借入金返済の猶予」である。これについてはこれまで何回か説明してきているので詳細は省くが、これに補助金や金融機関への利子補給などを加えた政策ミックスが真水を少なくして「倒産爆発 重大局面」を乗り切るための一つの有効な選択肢になるはずである。

「強大な経済政策を前例にとらわれず大胆に練り上げていく」方針を示していた安倍総理も、「休業補償」に関しては「諸外国でも見当たらず、我々としてやる考えはない」と「諸外国の前例」を理由に消極的な姿勢を示してきている。

しかし、ここに来て「欧米など各国が新型コロナウイルスで打撃を受けた個人や事業者の家賃の支払い猶予に向けた対策」(14日付日経電子版「家賃猶予、各国動く 廃業防止へ公的支援」)を急ぎ始めている。諸外国が家賃猶予の前例を作り始めている今、家賃猶予に踏み切るか否かは安倍総理が躊躇するかどうかに掛かっている。

 

家賃猶予等については法的根拠がないから実行できるはずがないという反論も出て来るはずである。しかし、飲食店等への営業自粛要請も法的な拘束力がないという点では同様である。

したがって、家主に対しても家賃を猶予する「営業自粛要請」を出し、協力してくれた家主に「休業協力金」をお渡しするようにするなど工夫のしようは幾らでもある。

家主も借主が倒産したり失業したりして家賃を払えなくなったら、家賃収入を得られなくなるのだから自粛に協力してくれる家主も少なくないはずだ。

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