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新型コロナ危機、「日本批判」を何度も行ってきた私の反省

決断は難しい。人間は弱い。

「決断」することは難しい。

日本を含めた世界が、新型コロナウイルス感染症の脅威にさせられる中、「感染症対策」と「経済活動」という二律背反する要請の中で、最適な行動を選択することを求められている。

これは、人間としての総合力を求められる領域であり、さまざまな専門知の結集が求められている。

精神医学から貢献できることは限られている。しかしそれでも、「このような失敗が起りやすい」という「精神の病理の型」を提示して、それを避けるようにうながすことには、一定の意味があると考えて、今回小論を書くこととした。

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『メランコリー』から学ぶ

参照するのは、『メランコリー』というドイツ人が書いたテキストで、その内容については、「几帳面で周囲に気をつかう、うつ病になりやすい性格の人を書いたもの」と理解されていることが多い。

 

『メランコリー』は、人間の深層への興味が精神医学の中心だった時代の最高傑作の一つと呼べるような作品で、現在の視点で解釈しなおすことで、そこから学ぶことのできる点がある。

非常に分厚い著書なのであるが、その本の後ろの方に、患者が追い詰められてうつ病を発症する直前の様子が記載されている。